ディーカレットが27.5億円の資本増強を実施
株式会社ディーカレットが、4月10日付けで第三者割当増資による新株発行にて、27億5,000万円の資本増強を実施した事を同日同社プレスリリースにて発表した。
同第三者割当増資は、ディーカレットの筆頭株主である株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)が引き受け先として実施された。
また同第三者割当増資は、IIJとの取引に基づき発生する所定の債務相当分を資本に充当する態様(疑似的なデット・エクイティ・スワップ)により実施されたとのことだ。
今回の増資の目的は、既存の仮想通貨(暗号資産)取引サービスの増進に加え、デジタル通貨・決済サービスの拡大に向けた開発・ビジネス推進を図って行われたとのこと。
同件により、資本金は43億1,400万円から56億9,100万円に増資され、増資後の議決権比率はIIJが30%、その他既存法人株主が70%となった。
編集部のコメント
デット・エクイティ・スワップ(Debt Equity Swap:DES)とは、Debt(債務)とEquity(株式)をSwap(交換)する「債務の株式化」のことです。DESは金融機関が経営不振の取引先を支援する目的で使われるのが一般的です。DESは債権者が「金銭債権」を現物出資することで債務者から第三者割当増資によって株式の発行を受けます。 DESを利用することで債務者は財務体質が改善され、債権者は債務と交換で株式を受け取ることにより、新たに株主として経営に影響力を持つことができます。
今回行われた「疑似的なデット・エクイティ・スワップ(疑似DES)」は通常のDESと違って、債権者が「現金」を払い込んで債務者から株式発行を受け、この払い込んだ現金をもって債務を弁済する形となります。債務を資本金に振り替える方法という意味においては、擬似DESとDESは同様の効果をもたらしますが、債務の消滅が現物出資か金銭出資の違いから、法的には異なる手法となります。
疑似DESは、財務体質の改善・債権者が株主として企業再建にコミットすることができることから、経営者へのモラルハザード・株式価値向上への期待などを目的に行われていることが、効果として挙げられています。
コメント:大津賀新也(あたらしい経済)
(images:paitoonpati)