(LayerX中村氏、福島氏のコメントあり)LayerXがリードリサーチャー中村龍矢氏を執行役員に選任

LayerXがリードリサーチャー中村龍矢氏を執行役員に選任

ブロックチェーン・テクノロジー関連事業を展開する株式会社LayerX社が、リードリサーチャーの中村龍矢を執行役員に選任したことを発表。中村氏は1997年生まれ。

中村氏が所属しているLayerXのR&Dチームはこれまでに研究開発として、Zerochain(秘匿送金ブロックチェーン)やCordage(異なるブロックチェーンを接続するモジュール)などをオープンソースソフトウェア(OSS)として公開してきた。また現在開発中のものも複数あるとのこと。

あたらしい経済は中村氏とLayerX CEOの福島良典氏へ取材を行った。

Q.中村氏は1997年生まれで、非常に若手だと思います。若手に向けて、中村氏からブロックチェーンという新しいテクノロジーに飛び込む意義や可能性に関して、どのようにお考えでしょうか?

中村氏「若い時にどの業界に行くかや、特にエンジニアにとって最初にどんな技術に触れるかはキャリア上とても重要な選択肢と考えている方が多いのではないかと思います。その点ブロックチェーンは正直リスクの大きな業界・技術ですが、その分パイオニアとして若者でも新分野を切り拓けるチャンスがあります。また、ブロックチェーンとはいえ要素技術は暗号と分散システムといった普遍的なものが多く、さらに、ビジネスでブロックチェーンを進める時は常に既存のシステムに関する深い理解が伴いますので、この業界で本気で働いた経験はその後色々な分野で活きると思います

Q.多くの経営者にとって、圧倒的に実力のある若手でさえも企業の重役に選任する経営判断は非常に難しいことだと思います。そのような背景を踏まえて、LayerX社として、中村氏を執行役員として選任した決め手はなんでしょうか?

LayerX CEO福島良典氏「今回の中村への人事の意図としては二つあります。一つはLayerXは技術の会社なので、R&Dの責任者が経営メンバーにいるべきであるということ。もう一つは年齢、性別、経歴によらず、実力が有りふさわしいマインドを持っている人を抜擢するというものです。中村は、インターン時代から飛び抜けた地頭と、ビジネス視点を持った意思決定ができていた稀有な人材です。2019年には日本で初めてEthterum Fundationのgrantを獲得するなど、ブロックチェーン領域で世界的なR&Dの成果を上げています。今回の人事を持ってLayerXのR&Dチームをより拡充していくことに加え、経営レベルでの意思決定にも参画してもらいます。LayerXでは年齢、性別、経歴によらずインターン生からでも経営メンバーになり、影響力を発揮していく、そんな会社を体現する存在であってほしいと考えています」

編集部のコメント

中村氏は、LayerX創業時より参画し、ブロックチェーンの基礎技術の研究を行う。EthereumのPoSプロトコル Casperのコアリサーチャーを務め、日本拠点のチームとしては初めてEthereum Foundationのグラントプログラムに採択されました。EthereumのプロトコルアップグレードプロジェクトEthereum 2.0では脆弱性を複数発見し、その解決策は公式の仕様に採用されています。

またCBC Casperの形式的検証に取り組み、その論文はCBC Casperに関する論文として世界で初めて査読付き国際学会に採択されています。このようにブロックチェーン領域でアカデミアとして成果を上げてきた中村氏が執行役員としてどのようにアカデミアとビジネスを融合させていくのか、非常に楽しみです。

 

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あたらしい経済 編集部

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