ICFが「Evmos」をオープンソース化、公式ソフトウェア「Cosmos EVM」へ移行

Evmosがオープンソースに

コスモス(Cosmos)のインフラストラクチャの開発・運営を支援するインターチェーン財団(ICF)が、Evmos(エヴモス)をオープンソース化し、コスモスのマルチチェーンエコシステム向けの標準EVMフレームワーク「Cosmos EVM」として展開すると3月18日に発表した。なおICFは、Evmosのオープンソース化のために資金を提供している。

Evmosは、「Cosmos SDK」を用いて開発されたEVM(イーサリアム仮想マシン)と互換性のある仮想マシンを搭載したProof of Stakse(PoS)のブロックチェーンだ。

Evmosは2016年に前プロジェクトとなる「Ethermint(イーサミント)」として開発を開始。2022年にコスモスベースのチェーンとしてメインネットに登場し、コスモスエコシステムにEVMを導入した。なおEVMとは、イーサリアムに搭載されている仮想マシンで、スマートコントラクトなどの処理に用いられている。

このようにEvmosは、Evmosプロジェクトによって開発されていたものだが、今後は公式インターチェーンソフトウェアスタック内で「Cosmos EVM」として維持されることになる。これにより、コスモスエコシステムは標準化されたEVM環境を持つことになる。

また公式ソフトウェア化に向けた開発により、コスモスブロックチェーンは「Cosmos EVM」を統合して完全なEVM互換性を実現できるようになるとのこと。これには、JSON-RPCのサポートやネイティブERC-20トークン用の軽量EVM設定によるイーサリアムウォレットのサポートも含まれる。

そのため今回の統合は、特にインターブロックチェーン通信(IBC)プロトコルを通じて、より多くのEVMエコシステムとコスモス間のクロスチェーン相互運用性を強化するものとなるとのことだ。

この移行に伴い、Evmosの共同創設者のフェデリコ・クンツェ・キュルマー(Federico Kunze Küllmer)氏はEvmosのコア貢献者としての役割から離れ、「Cosmos EVM」の相互運用性とモジュラーアーキテクチャに関してインターチェーン財団へのアドバイザーとして活動を継続すると発表した。またキュルマー氏の会社であるアルティプラニック(Altiplanic)は、今後プロジェクトへの貢献を行わないとのことだ。

画像:iStocks/vectortatu

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。