アメリカ下院の民主党がデジタルドルを記載した経済対策草案を公開
アメリカ下院の民主党によって作成された法案の草案「Coronaviurs stimulus」にデジタルドルが記載されていることが明らかに。ただ現時点でこの草案は完成されているものではないようだ。
草案の文書によると、デジタルドルは任意の連邦準備銀行(FRB)の口座に負債として記録されているデジタル台帳の記帳で構成されるドルの価値として表現される残高、または(連邦準備制度理事会によって決定された)適格な金融機関によって償還可能な電子的な価値の単位として、定義されている。
草案によると、デジタルドルはデジタル・ドル・ウォレットに記録される仕組み。デジタル・ドル・ウォレットは、連邦準備銀行が個人のデジタルもしくは物理的なIDと結び付けられているデジタルドルを、個人に代わって管理するアプリと説明されている。
さらに文書では「pass-through digital dollar wallet(パススルー・デジタル・ドル・ウォレット)」についても言及している。パススルー・デジタル・ドル・ウォレットは、個人に代わって連邦準備銀行へ加盟している銀行がデジタル・ドル・ウォレットを管理して、連邦準備銀行がその準備金を加盟銀行へ配賦し、さらに個人へ配賦する仕組みだ。
編集部のコメント
デジタルドルのアイデアに関しては、米国商品先物取引委員会の前議長であったChristopher (“Chris”) Giancarlo(クリストファー・ジャンカルロ)氏とDaniel Gorfine(ダニエル・ゴルフィン)氏がアクセンチュアと共にDigital Dollar Projectを1月16日に発表しています。一方、今回の草案内容のデジタルドルは、より具体的な設計が思慮されていると考えられます。中央銀行デジタル通貨の型としては、直接型・間接型で口座型・トークン型が考えられている中で、中国、スウェーデン、カンボジアが構想しているのと同様の間接型・口座型となっています。
いまコロナウイルスの影響で、各国の中央銀行がお金を市場に流通させるために、国民や企業を含めて、配賦する経済政策を検討しています。その上で、CBDCの発行後の配賦スキームを検討し、どれくらいのコストカットができ工数がかかるのか、試算して欲しいとあたらしい経済編集部は考えています。CBDCの配賦の試算は、中央銀行にしかできないことなので、期待したいと思います。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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