SteemitのSteemがハードフォークし新たにHiveが誕生
ブロックチェーンを活用したブログプラットフォーム「Steemit」で利用されているトークン(仮想通貨)Steemのハードフォークが3月20日に実施された。それに伴い新たなトークン「Hive」が誕生した。
今回のハードフォークの経緯としては、2月14日にトロン財団が「Steemit」を提供するSteemit Inc.との提携/買収を発表したことがきっかけとなった。これによってSteemitで発行されていた独自トークンであるSteemがトロンのブロックチェーンベースに移行されることになった。
SteemはコンセンサスアルゴリズムDPoS(Delegated Proof of Stake)を採用しており、多くのトークンを保有者がコミュニティ内での影響力を持つことになる。そのため「Steemit」コミュニティではトロン財団によりSteemが大量保有され分散性が損なわれることを懸念し、それらのトークンの投票権を凍結させるソフトフォークを提案、実装した。
それに対しトロン財団の「Steemit」チームは、Binance、Huobi Global、Poloniexなどで管理されていたトークンを使って投票権を確保しSteemブロックチェーンの支配を試みた。
トロン財団の公式medium「The Truth Behind “Steem Takeover”」によると、トロン財団はSteemをトロンベースに移行するためのハードフォークを実施。しかしその際に「Steemit」コミュニティ側が6,500万Steemを凍結していた。
Blocktradesの設立者で、Steemの委任者の一人のDan Notestein氏が、ハードフォークの計画を発表。それがコミュニティの賛同を得て、凍結されたSteemによってハードフォークが3月20日に実施された。
このハードフォークにより、従来の「Steemit」と類似したもう一つのチェーン、プラットフォームである「Hive」が生まれた。今後は「Steemit」「Hive」とそれぞれが独立した別のプラットフォームとして運営されていくことになる。
編集部のコメント
Steemitは2016年7月に設立された次世代型のSNSブログサービスです。Steemitの特徴として、テキスト情報がブロックチェーン上に書き込まれることで記事の履歴が消せないことと、記事の投稿や評価コメントなどをすることで報酬として独自トークンのSteemなどが得られることがあげれれます。
Steemitは、そもそも分散性を重視したプロジェクトであったわけですが、今回の一連の騒動を見ると改めて分散型のサービスを維持すること、そしてガバナンスの設計の難しさを考えさせられます。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:Ilya-Boldenkov)