Worldで認証ユーザー1,000万人突破
オープンAI(OpenAI)CEOのサム・アルトマン(Sam Altman)氏が設立した暗号資産(仮想通貨)プロジェクト「ワールド(World)」の「認証ユーザー」が累計1,000万人を超えた。同プロジェクトの公式Xアカウントより1月10日発表された。
「認証ユーザー」は、「ワールド」のネットワーク上で人間であることを検証しIDを得たユーザーとなる。
発表によると、2024年の独自アプリWorld Appのダウンロード数は2,000万以上だったとのこと。その中で同プロジェクトのデバイス「オーブ(orb)」を通じて発行される「ワールドID(World ID)」により、10,194,037人が人間であることを証明したという。
また昨年12月に公開された公式ブログでは、「ワールドID」と「ワールド」コミュニティが今年も拡大を続ける上で昨年行われた4つの大きな取り組みが紹介されている。
一つ目の取り組みとしてまず、昨年4月に発表された「ワールド」の独自レイヤー2(L2)ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」が紹介されている。同チェーンは昨年10月にメインネットローンチされ、高速で低コストの取引が可能となっている。また、「World ID」をもち人間であると検証されたユーザーについては、ボットよりもトランザクション処理が優先されるとのこと。
次にあげられた取り組みは、ワールドコイン財団(Worldcoin Foundation)が昨年5月に導入した「SMPC(Secure Multi-Party Computation)」システムだ。このシステムにより、個人情報の完全な秘密保持と虹彩コードの削除が実現し、「ワールドID」の認証に使用される情報は暗号化され、複数の信頼された当事者に分散されたという。
さらに5カ月後の10月には、個人情報が匿名化された「AMPC(Anonymized Multi-Party Computation)」が導入されている。これは「SMPC」から進化した技術で、ワールド財団(World Foundation)や関連組織が秘密のデータにアクセスできなくなる仕組みが実現した。
そして最後にあげられた取り組みは、10月に行われたイベント「ニューワールド(New World)」で発表された「ワールド」の最新技術の進展だ。イベントでは、5G接続と強化されたプライバシー及びセキュリティ機能を備えた「オーブ」の新バージョンや、ミニアプリを搭載した「ワールドアプリ3.0(World App 3.0)」のリリース、そして「ワールドコイン(Worldcoin)」から「ワールド」へのプロジェクト名変更が発表された。
ワールドIDとは
「ワールドID」は、持ち主が本物の人間であることを証明し、オンラインのAIチャットボットとの違いを区別するための「デジタルパスポート」である。「ワールドID」を取得するには、取得希望者が「ワールド」の「オーブ」を使用して対面で虹彩スキャンを行う。「オーブ」はボウリングボールとほぼ同じサイズの銀色の球体だ。
「オーブ」の虹彩スキャンで、希望者が実際の人間であることが確認されると、「ワールドID」が生成される。そして特定の国で登録したユーザーには、特典として「WLD」と呼ばれるトークンが提供される。
10 million verified humans on World Network.
— World (@worldcoin) January 10, 2025
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参考:ワールド
画像:iStock/hkeita