アバランチがトークン販売で2.5億ドルの資金調達、ギャラクシー・ドラゴンフライ・パラファイ主導で

アバランチがトークン販売で2.5億ドル調達

レイヤー1ブロックチェーンのアバランチ(Avalanche)が、トークンの販売で2億5,000万ドルの資金調達を実施したことを12月12日に発表した。

この資金調達は、アバランチが12月16日に実施予定の大型ネットワークアップグレードイベント「Avalanche 9000」のメインネットローンチに先立ち行われた。「Avalanche 9000」は、11月26日に同チェーンのテストネット「フジ(Fuji)」にて稼働開始している。

発表によると今回の資金調達を主導したのは、ギャラクシーデジタル(Galaxy Digital)、ドラゴンフライ(Dragonfly)、パラファイキャピタル(ParaFi Capital)だ。その他にもスカイブリッジ(SkyBridge)、SCBリミテッド(SCB Limited)、ハイブマインド(Hivemind)、ビッグブレインホールディングス(Big Brain Holdings)、ハイパースフィア(Hypersphere)、リパブリックキャピタル(Republic Capital)、モルガンクリークデジタル(Morgan Creek Digital)、タネラボ(Tané Labs)など40社超の投資会社が出資参加したとのことだ。

なお販売されたトークンは一定のロック期間が設定されているようだ。

Avalanche 9000とは

「Avalanche 9000」では、L1ブロックチェーンの立ち上げを容易にする「エトナ(Etna)」アップグレードや、開発者のインセンティブに関する変更、マルチチェーンサポートの強化などの複数の更新が含まれている。

なお、この中で主要となるアップグレード「エトナ」では、同アップグレードによりサブネットのバリデーターの仕組みがアバランチのプライマリネット(C・Xチェーン)から切り離され、サブネットは独自のL1ブロックチェーンとして稼働することになる。

そのため現在アバランチのサブネットを構築するために必要な2000AVAXのステーキングが不要になる。

またこれまでサブネットのバリデーターは、アバランチのプライマリネットワークのバリデーターを並列して行う必要があった。しかし「エトナ」実装後は、サブネットのバリデーターとしてのみ稼働すれば良くなるため運用コストが下がるという。

これによりサブネット構築のための金銭的な障壁が低くなり、今後より多くのサブネットが立ち上げられることが想定されている。

さらにネットワークが切り離されるため、プライマリネットワークが渋滞した際に悪影響を受けなくなるという障害に対する耐性が向上するメリットもあるとのこと。そして、これによるガス代の大幅削減も期待されている。

なお同アップグレードを機に、現在のサブネットモデルはレイヤー1ブロックチェーンズ:Layer 1 blockchains(L1s)へと概念・名称が変更される予定だ。

ちなみに同アップグレードでは、ACP(Avalanche Community Proposals:アバランチ改善提案)のうちACP-77を中心とした計7つの提案が実装される予定である。またこれまで通り、2000AVAXをステーキングする形式でのL1s立ち上げも可能となっている。

画像:iStocks/BadBrother

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。