バイナンスがサークルと提携、「USDC」取引ペア採用など利用拡大へ

バイナンスがサークルと提携

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)と米サークル(Circle Internet Group)が、戦略的提携したことを12月11日発表した。

これによりサークル発行の米ドル建てステーブルコイン「USDC」が、バイナンスで採用されるようになるとのこと。具体的には「USDC」との取引ペアや「USDC」を絡めた特別プロモーション、その他プロダクト(製品)で「USDC」が利用されるようになるとのことだ。

バイナンスのCEOであるリチャード・テン(Richard Teng)氏は「サークルは間違いなくデジタル資産エコシステムで最も信頼される革新的な企業の1社であり、『USDC』は世界でも有​​数のプロダクトです(以下略)」と述べている。

バイナンスは2022年9月、自社発行のステーブルコイン「Binance USD(BUSD)」を優先的に取り扱う方針を打ち出した。それに伴い、「USDC」や「USDP」、「TUSD」を「BUSD」に自動的に変換し、これらの暗号資産の取り扱いを終了していた。

しかし、2023年には米SEC(証券取引委員会)から「BUSD」が有価証券に該当する可能性があるとの指摘を受けたほか、「BUSD」発行元のパクソス(Paxos)がニューヨーク金融サービス局(NYDFS)から同ステーブルコインの発行停止命令を受けた。

これを受け、バイナンスは2023年中に「BUSD」のサポートを終了し、ユーザーに「FDUSD(First Digital USD)」への残高交換を推奨していた。その後、「FDUSD」はテザー社発行の米ドル建てステーブルコイン「USDT」と並び、取引ペアとして採用されている。

さらに2023年10月、バイナンスは上場廃止を予定している暗号資産10銘柄について、ユーザー保有分を「USDC」に自動変換する措置を発表していた。

またサークルは、バイナンスと競合のコインベース(Coinbase)より投資を受けている企業でもある。サークルはコインベースと共に「USDC」を運営するために共同企業体「センターコンソーシアム(Center Consortium)」を2018年に設立していた。

同企業体は2023年に解散しており、「USDC」の発行やガバナンスなどの発行者としての責任は、サークルへ完全に譲渡されている。コインベースはサークルへ出資することで、同社との連携を継続している。

参考:バイナンス
画像:iStocks/PIXTA

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。