分散型GPUマーケットプレイス「ハイパーボリック」が約18億円調達
AIコンピューティングと検証済み推論サービス(Verified Inference Services)の大手プロバイダーである「ハイパーボリック(Hyperbolic)」が、1200万ドル(約18億円)の戦略的資金調達ラウンドを完了したと12月10日発表した。
今回のシリーズAラウンドはヴァリアント(Variant)とポリチェーンキャピタル(Polychain Capital)が主導し、ハイパーボリックの資金調達総額は2000万ドル(約30億円)に達した。
ハイパーボリックは、この資金調達をAIイノベーションの未来を強化し、保護するという同社の使命の達成に向けた大きな飛躍と位置づけている。なお調達資金は、エンジニアリング、市場拡大、戦略チームの成長に割り当てられる。またハイパーボリックは基盤をWeb2からWeb3へと移行し、2025年には独自のブロックチェーンを立ち上げる計画で、包括的に管理されたAIエコシステムのビジョンを推進している。
資金調達の詳細は?
今回のラウンドには、チャプター・ワン(Chapter One)、ライトスピード・ファクション(Lightspeed Faction)、バンクレス・ベンチャーズ(Bankless Ventures)、IOSG、バーテックス(Vertex)、GSR、ウィンターミュート・ベンチャーズ(Wintermute Ventures,)、ブロックチェーン・ビルダーズ・ファンド(Blockchain Builders Fund)、アルムナイ・ベンチャーズ(Alumni Ventures)、アンブッシュ(Ambush)などの著名な投資家が参加した。
これはポリチェーンキャピタルとライトスピードファクション(Lightspeed Faction)が主導した700万ドル(約10億円)のシードラウンド、およびチャプターワン(Chapter One)やサムスンネクスト(Samsung Next)などの投資家が参加した72万5000ドル(約1億円)のプレシードラウンドに続くものだ。
なおエンジェル投資家として、アイゲンレイヤー(EigenLayer)のスリーラム・カンナン(Sreeram Kannan)氏、ユニスワップファウンデーション(Uniswap Foundation)のデビン・ウォルシュ(Devin Walsh)氏、マイシェル(MyShell)のイーサン・サン(Ethan Sun)氏らも出資している。
CEOのビジョン
ハイパーボリックの共同創設者兼CEOであるジャスパー・チャン(Jasper Zhang)博士は、今回の発表にあたり、次のようにコメントしている。
「ハイパーボリックは、クリエイターが制限なく探究できる相互接続された活気のある再生可能なAIエコシステムを構築している。これはAIの革新、コラボレーション、成長に不可欠なリソースだ」
パートナーシップと評価
なおハイパーボリックは、クオーラ(Quora)、ハギングフェイス(Hugging Face)、オープンルーター(OpenRouter)、ブラックフォレストラボ(Black Forest Labs)、ヌースリサーチ(Nous Research)、LMSYSといった大手AI企業から支援を受けている。また、コーネル大学、カリフォルニア大学バークレー校、ニューヨーク大学、スタンフォード大学などの一流大学も、ハイパーボリックのプラットフォームを推奨している。
ハイパーボリックについて
ハイパーボリックは、AIインフラ、サービス、モデルのためのオープンなエコシステムを提供し、4万人以上の開発者と主要なAI企業が参加している。
ハイパーボリックの主な提供サービスは、GPUコンピューティングと検証可能な推論を単一システムに統合したオールインワンプラットフォーム「GPUマーケットプレイスおよび推論サービス(Inference Services)」、信頼性の高いAI計算を保証する検証プロトコルの「Proof of Sampling(PoSP)」、分散したGPUリソースを最適化し、コンピューティングコストを削減する「グローバルGPUネットワーク」、断片化されたAIワークフローを効率的な単一プラットフォームに統合する「オープンソースモデル」だ。
なおハイパーボリックでの開発は、こちらから始めることができる。
ハイパーボリックは、誰もがAIを利用でき、検証可能で、共同管理できるものにすることで、AIの民主化を目指しており、AIのイノベーションがすべての人に恩恵をもたらす未来創出を追求している。
関連リンク
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