米サークル、規制準拠によりカナダで「USDC」発行可能に

カナダでUSDC発行可能に

米サークル(Circle Internet Financial)発行の米ドルステーブルコイン「USDC」が、カナダ市場の登録暗号資産(仮想通貨)取引所で提供可能になった。サークルが12月4日発表した。

サークルは、カナダの規制対象子会社がオンタリオ証券委員会(OSC)およびカナダ証券監督機構(CSA)による価値参照暗号資産(VRCA)要件への準拠が約束された初のステーブルコイン発行者になったと報告。そして「USDC」が、このマイルストーンを達成した最初のステーブルコインになったことも伝えた。

またカナダで運営され、VRCAの要件に準拠している登録済みの暗号資産取引所は、CSAが非準拠のステーブルコインを上場廃止する2024年12月31日の期限後も「USDC」を引き続き提供できるとサークルは付け加えている。

発表によるとサークルは、カナダ当局と連携してグローバルステーブルコインの規制市場の開発に取り組んでいるという。この市場は、カナダの国境を越えた決済、小売決済、機関決済システムに大幅な効率向上をもたらす可能性があるとサークルは述べている。またこれには、決済取引の決済コストの削減、消費者保護の強化、決済リスクの軽減、決済競争の激化などが含まれるとのことだ。

サークルは今年7月、「欧州連合暗号資産(仮想通貨)市場規制法案(MiCA)」に準拠した、初のグローバルステーブルコイン発行企業となったことを発表。これによりサークルは「USDC」および同社発行のユーロステーブルコイン「EURC」を、「MiCA」準拠のうえ、EU(欧州連合)にて発行可能になった。

今回のカナダ準拠はこれに続くものとなる。

なお日本においては2023年11月に国内暗号資産取引所SBI VCトレードが、サークルとの提携および国内での「USDC」利用開始を目指すと発表。

それに続き今年2月には、国内暗号資産取引所コインチェックが、日本市場における「USDC」へのアクセス拡大を目的にサークルと提携したことを発表している。

なお日本においては昨年6月1日施行の改正資金決済法にて、一定のステーブルコインは電子決済手段として位置づけられ、発行・流通が可能となっている。

「USDC」については、資金決済法に基づき電子決済手段等取引業者による国内での取扱いが認められることにより電子決済手段として位置付けられる。

そのため国内における「USDC」を含むステーブルコインの取り扱いは、資金決済法に基づき「電子決済手段等取引業」の登録を取得することが条件となる。

参考:サークル
画像:iStocks/AndreyPopov・sumkinna

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。