TEIJIN、蘭ブロックチェーントレーサビリティ「サーキュライズ」へ出資

TEIJINがサーキュライズへ出資

国内大手化学メーカーの帝人(TEIJIN)が、資源循環におけるサプライチェーントレーサビリティシステム開発を行う蘭サーキュライズ(Circularise)への出資決定を12月4日発表した。

なお出資額については非公開。サーキュライズにとってはシリーズBのプレラウンドの資金調達になるようだ。

サーキュライズ提供のサプライチェーントレーサビリティシステムではブロックチェーンを活用し、個別の商品に関する原材料調達からリサイクル履歴、カーボンフットプリント等のライフサイクル全体にアクセスできるデータ「デジタル製品パスポート」を企業に対し提供している。なお同システムは、「ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proof:zkp)」活用の、情報の選択的かつ限定的な開示を可能にする独自技術「Smart Questioning」がベースになっているとのこと。

今回TEIJINは、サーキュライズ保有の技術およびノウハウを、TEIJINの循環型経済の実現に向けた取り組みに融合させることで、サプライチェーン全体における資源の効率的かつ有効な利用を推進し、2050年カーボンニュートラルに貢献できると考え、今回の出資を決定したとのことだ。

TEIJINは、サーキュライズのシステムを活用し、自社が生産する製品やサービスが関わるサプライチェーンの透明性や信頼性の向上を図るとのこと。

また同社は、サーキュライズのシステムを通じて、サプライチェーン上のあらゆる製品に関わるCO2排出量を把握し、環境負荷のより低い原料を調達することにより、顧客が求める循環型経済の実現に貢献する新しい製品やサービスの開発を進めるとのことだ。

サーキュライズは2022年11月、シリーズAラウンドで1100万ユーロ(当時約15.9億円)の資金調達を完了していた。

同ラウンドには、ブライトランズ・ベンチャー・パートナーズ(Brightlands Venture Partners)を中心に、旭化成、フィンランドのエネルギー企業のネステ(Neste)、オランダに拠点を置くVCファンドのフォーインパクトキャピタル(4impact capital)が出資参加したという。また、調達した資金には欧州委員会からの助成金も含まれるとのことだった。

参考:帝人サーキュライズ
画像:iStocks/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。