韓国が仮想通貨取引所運営を登録制へ

韓国が仮想通貨取引所運営を登録制へ

韓国国会本会議にて、仮想通貨取引所の登録制に関する法案が5日に可決したことを同日コインデスク韓国版が報じた

同法案「特定の金融取引情報の報告および利用などに関する法律の一部改正法律案」が施行されれば、韓国国内の仮想通貨取引所は、韓国金融情報分析院(KoFIU:Korea Financial Intelligence Unit)への登録をしなければ運営ができなくなる。

改正された同法案では、既存の銀行などの金融機関にのみ付与していた資金洗浄防止(AML)、テロ資金調達防止(CFT)の義務を、仮想通貨取引所などの暗号資産事業者にも付与することが骨子となっている。

国会本会議を通過した同法案は、政府に移送された後、15日以内に大統領が公布し、公布1年後から施行されるとのことだ。

現在営業中の取引所は、施行後6ヶ月以内にKoFIUへ登録をしなければならない ・KoFIUへの登録において取引所は、①実名制入出金アカウントサービスと、②情報保護管理システム(ISMS)認証を導入した上で申告を行うよう、同法案で定められている。

編集部のコメント

韓国では仮想通貨の取引所に対して、今まで具体的な規制が存在していませんでした。今回の改正案が可決し取引所が登録制になることは、取引所の真価が問われる出来事だと思います。
規制を守った上で、取引所を運営するためには、KYCを含め、ユーザーに対しての安全性が大きく問われます。つまり、取引所が規制を準拠するためには、莫大なコストがかかります。取引所の負担が増えていくことで、取引所運営を辞める、または、事業売却をするなどの事業撤退の可能性が出てくるでしょう。いずれにせよ、規制がない状況では、利用者が守られにくく、あらたな利用者も増えず、事業としてスケールさせにくいのは間違いありません。韓国が国を挙げて、仮想通貨市場やブロックチェーン事業を国策にする上でも、規制をつくり、官民共々、運営していく流れは、とても良いことだとあたらしい経済編集部は考えます。

コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)

(images:stockdevil,Guzaliia-Filimonova)

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

あたらしい経済 編集部

「あたらしい経済」 はブロックチェーン、暗号通貨などweb3特化した、幻冬舎が運営する2018年創刊のメディアです。出版社だからこその取材力と編集クオリティで、ニュースやインタビュー・コラムなどのテキスト記事に加え、ポッドキャストやYouTube、イベント、書籍出版など様々な情報発信をしています。また企業向けにWeb3に関するコンサルティングや、社内研修、コンテンツ制作サポートなども提供。さらに企業向けコミュニティ「Web3 Business Hub」の運営(Kudasaiと共同運営)しています。 これから「あたらしい経済」時代を迎える すべての個人 に、新時代をサバイバルするための武器を提供する、全くあたらしいWEBメディア・プロジェクトです。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している