Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」をリリース

コスモスSDK(Cosmos SDK)をベースに構築された分散型金融(DeFi)向けレイヤー1ブロックチェーン「インジェクティブ(Injective)」が、ユーザーが独自のオンチェーンAIエージェントを作成できるSDK(ソフトウェア開発キット)「アイエージェント(iAgent)」のリリースを11月19日に発表した。

「アイエージェント」は、「インジェクティブ」上でAIを活用した直感的で効率的な金融体験の提供を目的としており、OpenAIのChatGPTなどの大規模言語モデル (LLM) を活用することで、AIファイナンスを直感的、効率的、高速にするという。このSDKにより、技術ユーザーと非技術ユーザーの両方の複雑さを軽減し、ブロックチェーンにユーザーフレンドリーな体験をもたらすとのことだ。

「アイエージェント」を使用するとユーザーは、「インジェクティブ」でタスクを実行できるボットのような独自のエージェントを作成できるとのこと。また市場データを追跡するためのエージェントと、取引の実行専用のエージェントを1つずつ作成するといったように、独自の構成を持つ複数のエージェントを作成し、個別に管理もできるという。

エージェントに対してはコマンドを用いて対話ができ、例えばコマンドの「create_agent」を使用したエージェント作成や、コマンド「place_market_order」を使用した取引、コマンド「check_balance」を使用して資金の確認ができるようだ。このように「アイエージェント」で用いられるこれらコマンドは平易な言語で入力されるため、技術的な知識のないユーザーでも使用できるとのこと。

「アイエージェント」はAIを使用してコマンドを解釈し、それに基づいて行動するため、複数の手順を必要とする複雑なタスクを自動化できるとのこと。このAI統合により、ユーザーは各手順を手動でコーディングすることなく、市場動向の分析や予測分析の設定など、データに基づいた意思決定が行えるという。

「アイエージェント」の機能としては、市場データを継続的に監視し、最新情報を即座に提供するリアルタイムデータ分析や、機械学習を用いた市場トレンドの予測により、戦略的な判断をする予測分析、ユーザーの意思決定を即座に実行し、「インジェクティブ」チェーンでのタイムリーな取引を実現する自動トレード実行、様々な取引シナリオに対応できるカスタマイズ機能などが挙げられている。

また「アイエージェント」を使うことで、ユーザーはシンプルなコマンドを通じて、「インジェクティブ」での高速支払いや、「インジェクティブ」のDEX(分散型取引所)間で成行注文や指値注文の実行、ウォレット残高の確認などのタスクを実行できるとのこと。そしてすべてのトランザクションが取引ハッシュやブロック高を含む詳細な応答で追跡可能であるという。

セットアップの方法については公式ページの「アイエージェント」のドキュメントに記載されている。またインストールとセットアップについては、最小限の依存関係で設計されているため、迅速な使い始めが可能とのことだ。

画像:iStocks/Who_I_am・MARHARYTA-MARKO

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。