Pendle、利回り取引の新プラットフォーム「Boros」発表

PendleがBoros発表

分散型金融(DeFi)プロトコルのペンドル(Pendle)が、利回り取引の新しいプラットフォームである「ボロス(Boros)」を11月11日に発表した。

なお現在「ボロス」の正確なリリース時期は発表されておらず、ペンドルチームは流動性についてやその他詳細についてはリリースが近づけば発表すると語っている。

「ボロス」は以前まで「ペンドルV3(Pendle V3)」として知られていたプラットフォームだ。「ボロス」は、利回り取引をさらに拡張することを目指しており、オフチェーン運用での利回りであるオフチェーンレートを含むあらゆる利回りに対応し、証拠金による利回り取引を可能にすることで、取引効率を大幅に向上させるとのこと。

なお「ボロス」は、現在運用中の「ペンドルV2(Pendle V2)」と併存し、利回り市場全体を拡大する新たな基盤として機能するという。

また「ボロス」は、これまでほとんど未開拓であったファンディングレートを取引可能にするという。これにより、トレーダーはリスクを管理しつつ、戦略の柔軟性と精度を向上できるとのこと。

ペンドルは「ボロス」について、エセナ(Ethena)を例に挙げて説明しており、「ボロス」を活用することで、エセナのようなプロトコルでは、ファンディングレートの変動リスクを回避し、安定した収益を得られるという。一方、投資家はレバレッジを利用して、ファンディングレートの変動から高いリターンを得る新しい戦略を追求できるとのこと。

なおペンドルエコシステムでは既存のトークンである「PENDLE」および「vePENDLE」が、引き続き「ボロス」と「ペンドルV2」の価値蓄積の中心となるとのこと。そのため新しいトークンの発行や、トークノミクスの変更はないとのこと。

またペンドルは今回の発表に伴い、プロトコルのアップデートについても述べている。

1つ目は、「vePENDLE」保有者へのエアドロップについてだ。2024年12月31日23:59(UTC)にスナップショットが取られ、「vePENDLE」の個人保有者に対し、プロトコルで収集されたポイントに基づきエアドロップが行われるとのこと。対象トークンとして、「sENA」、「ETHFI」、「EIGEN」、「REZ」、「PUFFER」、「COOK」などが挙げられている。サードパーティーのリキッドロッカーは対象外とのこと。

2つ目は、手数料の最適化について。プロトコル収益の配分を「vePENDLE」保有者に80%、プロトコルトレジャリー(財務管理)に10%、プロトコル運営費用は10%とするとのこと。また「ペンドルV2(Pendle V2)」におけるYT手数料やLPと「vePENDLE」間の報酬分配についても最適化が検討されているとのこと。

ペンドルは、利回りのあるトークンを預け入れ、元本と利回りを分離した2つのトークンを発行することで、DeFiの世界に利回りのデリバティブ市場を持ち込むことを実現したプロトコルだ。

参考:ペンドル
画像:iStocks/Blue-Planet-Studi

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【4/11話題】トランプ大統領がDeFi課税ルールを撤回、金融庁が暗号資産を2類型にする規制提案など(音声ニュース)

ブロックチェーン・仮想通貨(暗号資産)・フィンテックについてのニュース解説を「あたらしい経済」編集部が、平日毎日ポッドキャストでお届けします。Apple Podcast、Spotify、Voicyなどで配信中。ぜひとも各サービスでチャンネルをフォロー(購読登録)して、日々の情報収集にお役立てください。

広告

OKXとStandard Charteredが暗号資産担保プログラム開始、Franklin Templetonが1号ファンドに

大手海外暗号資産(仮想通貨)取引所OKXが、スタンダードチャータード(Standard Chartered)銀行と共同で、暗号資産およびトークン化されたマネーマーケットファンド(MMF)をオフエクスチェンジ(取引所外)の担保として活用できる「担保ミラーリングプログラム(Collateral mirroring programme)」の開始を4月10日に発表した