MiCA施行直前にローンチ
オランダ拠点のフィンテック企業クアントズ・ペイメンツ(Quantoz Payments)が、米ドル(USD)テーブルコイン「USDQ」とユーロ(EUR)ステーブルコイン「EURQ」を立ち上げた。各社が11月18日報じた。
これらステーブルコインは、12月に欧州連合(EU)で全面施行される暗号資産の規制枠組みである「暗号資産市場規則(Markets in Crypto-Assets:MiCA)」の施行直前にローンチされ、同規制に準拠しているという。
The Blockによれば、これらステーブルコインはイーサリアム(Ethereum)ブロックチェーン上で発行され、オランダ中央銀行から電子マネー機関として規制・認可を受けているという。
なおクアントズ・ペイメンツはVCのファブリックベンチャーズ(Fabric Ventures)、暗号資産取引所クラーケン(Kraken)、世界最大のステーブルコイン発行者であるテザー(Tether)社から投資を受けているが、資金調達ラウンドの規模は明らかにされていない。
また同社によると、ステーブルコインは法定通貨および「流動性の高い金融商品」によって完全に裏付けられているとのことだ。
また「USDQ」と「EURQ」は11月21日にビットフィネックス(Bitfinex)およびクラーケンで取引可能になる予定。
クアントズ・ペイメンツはMiCAに従い、バランスシート上にトークンの2%を保有するとのことだ。
MiCAでは、激しいボラティリティから保護するために金銭的価値が安定した資産に固定されているトークンであるステーブルコインの発行者に対して、厳格な透明性、流動性、および消費者保護基準を満たすことが求められている。
米大手暗号資産取引所コインベース(Coinbase)は、欧州経済地域(EEA)において、年末までに特定のステーブルコインを上場廃止する予定と発表。
また、テザー社も、MiCAに基づくステーブルコインUSDTのライセンスをまだ取得していない。
なお大手海外暗号資産取引所バイナンス(Binance)は8月、MiCA準拠のユーロ(EUR)ステーブルコイン「Eurite(EURI)」の取扱予定を発表している。
参考:The Block
画像:iStock/Who_I_am