デジタルグリッドのブロックチェーン技術を利用したP2P電力取引の実証プログラム開始へ
株式会社FAプロダクツが、株式会社ミライネクトら6社共同で、デジタルグリッド株式会社が提供するデジタルグリッドプラットフォーム(DGP)を利用したP2P電力取引実証プロジェクトを立ち上げたことを2月25日プレスリリースにて発表。
デジタルグリッド株式会社提供のDGPは、ブロックチェーン技術を活用した、電力の自由な選択・売買を可能とするプラットフォーム。
同実証プロジェクトは、株式会社FAプロダクツを幹事企業(全体統括・発電事業者)として、株式会社ミライネクト(サービスプロバイダ)、デジタルグリッド株式会社(DGP運用・システム開発)、日東工業株式会社(電源設備提供)、徳倉建設株式会社および坂田建設株式会社(建設工事)の6社で立ち上げ、2020年の運用開始を予定しているとのこと。
また、一般電気事業者の関わる自己託送供給ではなく、直接民間企業間でDGPを介して行うP2P電力取引は初の試みとなるとのこと。
今回の実証プロジェクトは供給者(発電事業者)と消費者(電力需要家)との相対電力取引実証からスタートする。この過程で、DGPのシステム検証、課題の抽出を行うと共に託送電力供給に関する送配電事業者との協議、接続実績を作るとのこと。
その他には、環境価値取引の証明、供給者と消費者の窓口となるサービスプロバイダの体制構築、DGPへのアクセスに必要なデジタルグリッドコントローラ(DGC)等の関連製品の製作・改良が行われるとのこと。
今回の1stフェーズの実証終了後は、実証の2ndフェーズとしてDGP上での複数の供給者・消費者間でのスマートコントラクトの実証や蓄電システムを利用した再生可能エネルギー供給時間の延長等、ネットワークの拡大に必要な検証ステップへ移行するとのことだ。
編集部のコメント
昨日もP2P電力取引への取り組み関するニュースを取り上げています。
【金沢工大と関西電力がブロックチェーン技術を活用した電力P2P取引の実証研究を開始】
DGPを提供するデジタルグリッド社は、環境省の「ブロックチェーン技術を活用した再エネCO2排出削減価値創出モデル事業」に平成30年度より採択されており、効率的な再生可能エネルギーの電力自己消費価値の取引手法の確立と普及を推進しています。また同社は11月にDGPの商用化を進めるために第三者割当増資を実施したことを発表しています。デジタルグリッドへの出資企業には、豊田通商、日本グリーン電力開発を含め、東京ガス、日本ユニシス、京セラ、三菱商事、住友商事、清水建設、九州電力、三菱UFJリース、NECフィールディング、AOIホールディングス、住友林業、広島ガス、日立製作所、古河電気工業、北海道ガス、ソニー、川崎重工業、東芝、など52社が名を連ねており、合計13.5億円の出資を受けています。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:dalebor)