コンセンシスが従業員20%削減へ、マクロ経済と規制の逆風を受け

コンセンシスが従業員20%削減

米コンセンシス(Consensys)が、全従業員の20%を削減すると10月29日に発表した。このことは、広範なマクロ経済の圧力と業界が直面している規制の課題が理由とされている。

この決定により、828人の従業員のうち162人に影響が出ると、コンセンシスCEOであるジョセフ・ルービン(Joseph Lubin)氏がロイターに対してメールで述べた。

暗号資産(仮想通貨)関連企業は、米証券取引委員会(SEC)が規制権限を超えていると頻繁に主張しているが、同機関は業界が投資家や他の市場参加者を保護するための証券法を無視していると反論している。

ルービン氏は「当社の件を含め、SECとの複数の訴訟は、SECの権力濫用と議会が問題を修正できないことで、重要な雇用と生産的な投資が失われている」とブログへの投稿で述べた。

さらに同氏は「米国政府によるこのような攻撃は、調査、訴訟、ウェルズ通知の送付を受けた多くの企業に対し、最終的に数百万ドルの損害をもたらすだろう」と付け加えた。

SECの広報担当者は、これらの主張についてコメントを拒否した。

コンセンシスは、金利上昇、インフレ圧力、流動性の引き締めにより「慎重なマクロ経済環境」が生み出されていると伝えた。また特定の市場における規制枠組みの欠如が業務を複雑にしているとも指摘した。

4月にコンセンシスは、SECから同社に対する強制措置を追求する計画を示す正式な通知「ウェルズ通知」を受け、イーサリアム(Ethereum)ブロックチェーンの規制に関連してSECを提訴した。

SECは6月にもコンセンシスを提訴しており、同社提供のメタマスク(MetaMask)のスワップサービスがブローカーとして登録していないと主張した。

ルービン氏が設立したコンセンシスは、イーサリアムに特化したブロックチェーン企業で、開発者、企業、ユーザーが「Web3」分野向けのアプリケーションを構築できるようにする製品を提供している。

同社の主要製品の一つは、セルフカストディ型の暗号資産ウォレットのメタマスクだ。これにより暗号資産の保有者は資産を保管し、トークンの購入、送信、交換ができる。

※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Crypto firm Consensys to cut 20% of workforce amid macroeconomic, regulatory headwinds

(Reporting by Pritam Biswas in Bengaluru; Editing by Maju Samuel)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
画像:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。