米マイクロストラテジー会長マイケルセイラー、暗号資産カストディに関する発言で批判浴びる

マイクロストラテジー会長がコミュニティから批判浴びる

ビットコイン(BTC)の購入を積極的に進めている米ナスダック上場企業マイクロストラテジー(MicroStrategy)の会長であるマイケル・セイラー(Michal Sayler)氏によるコメントに対して批判が集まっている。イーサリアムの共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏も、10月23日に自身のXアカウントにてセイラー氏の主張に異議を唱えている。

セイラー氏は10月21日に公開されたインタビューの中で、2025年までにビットコインが本格的に機関投資家や銀行の資産として受け入れられるようになるとの予測を述べた。

これに対しインタビュアーは、ビットコインが大手銀行などの機関に多く保持されることで、中央集権化のリスクが高まるのではないかという懸念を示した。

しかしセイラー氏は、そのような懸念は主に「偏執的な暗号資産アナーキスト」から出たものであり、誇張された危惧であるとし、ブラックロック(BlackRock)やフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)のような規制された信頼性の高い機関がビットコインを保持する方が、むしろリスクは低くなると主張した。

これらの機関は政府や議員から投資されているため、規制されていない民間機関に比べて政府から取り締まられる可能性が低いとセイラー氏は話している。

またセイラー氏は、大手機関がビットコインを保管することにより、ボラティリティを抑え、損失のリスクを減らせると述べた。

セイラー氏のこれらの発言は、ブテリン氏を含む暗号資産コミュニティから批判が集まっており、ブテリン氏は「セイラーのコメントは正気とは思えない」「このような戦略が失敗する前例はいくらでもあるし、私にとってはクリプト(ブロックチェーン・暗号資産の総称)の本質ではない」と自身のXアカウントにセイラー氏の発言に対する反論を投稿している。

これらの批判を受け、セイラー氏は10月24日に自身のXアカウントにて、「私は、意欲と能力のある人のためのセルフ・カストディ、すべての人のためのセルフ・カストディの権利、そして世界中の個人と機関のためのカストディとカストディアンの形態を選択する自由を支持します。ビットコインは、あらゆる種類の主体によるあらゆる形態の投資から利益を得ており、すべての人を歓迎すべきです」と述べている。

マイクロストラテジーは、9月にもビットコインの追加購入の発表を行なっており、現在合計で約252,220BTCを保有しているとのこと。また同月、総額7億ドル(約984億円)の転換優先社債を発行しその一部をビットコインの購入に充てると発表している。

画像:iStocks/DragonTiger

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。