ぷらっとホームらがWeb3技術活用の日本酒流通の実証事業
ぷらっとホームが事務局を務める「あたらしい日本酒体験のための流通パッケージングシステム推進協議会」が、真空技術とWeb3技術を活用したあたらしい日本酒体験創出と、日本酒サプライチェーンにおける輸送物流の効率化を目指す実証事業を開始すると10月23日発表した。
なお同実証事業は、食品等流通合理化促進機構の「令和5年度 物流生産性向上推進事業の補助事業」に採択されているとのこと。
実証事業の概要
発表によるとこの実証事業では、真空技術を用いた日本酒低温デリバリーシステムを使用し、輸送部分の物流効率を向上させるとともに、IoT技術を使用した状態モニタリングを行い、Web3技術で現実資産(RWA:Real World Assets)をデジタル化するという。これにより資産の利用効率を高め、日本酒の生産から消費まで、蔵元から消費者までのサプライチェーンを通じた顧客価値の創出とあたらしい顧客体験の提供の実現を目指すとのこと。
具体的にまず同実証事業では、日本酒流通の「効率」「品質」「コスト」に耐えられるあたらしいパッケージおよびITシステム(新パッケージングシステム)を開発するという。IoT技術を用いて重量データを集約し、残量が少なくなった拠点に配送するシステムを構築することで、流通を効率化するとのこと。
またIoT技術と積算温度インクラベルを活用し、製造元からの流通・最終需要家到着までの個品トレーサビリティを実現するという。これにより個品がどのような状況にあるかを検知することで、製品の品質管理及び衛生管理を高度化、透明化するとのこと。
さらに、純米・生・微発泡・低アルコール・低温提供といったあたらしいタイプの日本酒需要にあわせ、あらたな消費ニーズに適合したあたらしいタイプの日本酒パッケージングシステムを開発し、輸送の実証を行うとのことだ。
このような取り組みにて、消費者や売り手に対して鮮度や温度への積極的な提案を促すパッケージングシステムを生み出すことで、従来には実現できなかったあたらしいタイプの日本酒の消費提案を実現することを目指すとのことだ。
今回の実証事業は、同評議会メンバーであるぷらっとホームの他、秋田清酒、秋田県酒類卸、インターホールディングス、松井酒造、三井住友海上火災保険の5社が実施している。その中でインターホールディングスが真空サーバー・真空容器を提供する他、ぷらっとホームは、IoTプラットフォームとWeb3技術「ThingsToken」を提供するという。
「ThingsToken」は、現実世界の資産をブロックチェーン上に仮想化できるトークンシステム及びその技術。同技術は、2023年度の日本の農林水産省採択の実証プロジェクト事業において、コンソーシアム型のブロックチェーンを用いたモデルシステムとして実証投入されたとのこと。
なおモデル実証プロジェクトでは、日立ソリューションズや三井住友海上火災保険、三菱倉庫、日本ガイシをはじめとする日本を代表するIT・流通関係企業が参加し、「ThingsToken」を利用した輸出物流のサプライチェーンネットワークでの輸出製品の個品単位での識別とトレーサビリティの検証を実施したとのことだ。
ちなみに同実証事業には、積算温度インクラベル読取アプリを提供する日立ソリューションズ、積算温度インクラベル&センシングを提供する日立産機システム、企業横断型で利用できるSCM連携基盤を提供する日立システムズ、スマートセンシングシステムを提供する佐鳥電機が協力企業として参加している。
参考:ぷらっとホーム
画像:iStocks/uzuru-Gim