モルガン・スタンレーが、ネット証券大手のEトレードを130億ドル(約1兆4600億円)で買収
モルガン・スタンレーが、ネット証券大手のEトレード・ファイナンシャル(E*Trade)を130億ドル(約1兆4600億円)で買収することに合意したことを明らかにした。なお買収は株式交換方式で行われる。
ウォール街の企業としては、2008年の金融危機以降で最大の企業買収となる。
E*Tradeには520万を超えるクライアントアカウントと計3600億ドルを超えるクライアントの資産が存在。そして、モルガンスタンレーの既存の300万のクライアントアカウントと2.7兆ドルのクライアント資産に合計され、クライアント数は820万、クラアント資産は、3.1兆ドルとなる。
モルガン・スタンレーのCEOであるJames Gorman(ジェームス・ゴルマン)氏は、「E*Tradeは、ウェルスマネジメント事業で大きな成果を得ています。買収によって、個人のお客様へのチャネルにアドバイザ主導型の主要モデルを追加することができます。そして、企業やその従業員向けの最高のWorkplace Wealthを与える機会も生まれます。E* Tradeのプロダクト、技術力、確立されたブランドは、モルガンスタンレーを財務アドバイザリー、自己成長、職場環境の3つのチャネルすべてでトッププレーヤーとして位置付けるのに役立ちます。さらに、今後10年にわたって、当社のバランスシートを良くして、より永続的な収益源を得られることを意味します。そして、E * TtradeのCEOであるマイク・ピッツィがモーガン・スタンレーに加わることを非常に嬉しく思います。マイクは、引き続きモルガン・スタンレーのフランチャイズ内でE*Tradeのビジネスを運営し、継続的な統合の取り組みを主導します。そして、彼はモルガン・スタンレー運営委員会に参加します。さらに、E*Tradeの独立取締役の1人を取締役会に招待します。 E*Tradeがモルガンスタンレーにもたらす経営と技術をとても楽しみにしています」とコメント。
E*TradeのCEOであるMike Pizzi(マイク・ピッチ)氏は。「モルガン・スタンレーに統合することで、当社の複合製品を次のレベルに引き上げ、さらに包括的な資産管理機能を提供できるようになります。 E*Tradeのブランドと商品をモルガンスタンレーの傘下に置くことで、本当にエキサイティングな資産管理の価値提案が生まれ、私たちの集合チームがはるかに幅広いクライアントにサービスを提供できるようになります」とコメント。
編集部のコメント
E*tradeは1982年に設立された企業です。顧客基盤は、個人投資家を中心に500万人いると報じられています。モルガン・スタンレーの総運用額と比べると、大きく劣りますが、よりリテール向けのビジネスへ舵を切ろうとしているモルガン・スタンレーにとってこの買収のメリットは大きいと、あたらしい経済は考えます。
そして、E*tradeは2019年にビットコインとイーサリアムなどの仮想通貨取引ができる準備を始めていたと報道されていました。大手投資銀行を含めて、国際送金、ネッティング、為替売買などの領域では、ブロックチェーンを活用して、新たなビジネスモデルを開発しようと試みている企業が溢れています。
例えばネッティング領域ですと、外為決済サービスプロバイダーCLSが提供するブロックチェーンプラットフォームにモルガン・スタンレーは参加しています。
そして、為替売買や仮想通貨取引などであれば、Robinhoodの台頭、Visaがユニコーン企業Plaidを53億ドルで買収などの動きを見ても、着実に進んでいることが明らかです。
あたらしい経済は、為替取引を中心に、テクノロジーを活用して、1企業が覇権を握ることができる構図が生まれつつあると、考えています。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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