ディーカレット、KDDIらがブロックチェーン上に発行するデジタル通貨に関する共同検証を実施
KDDI株式会社、auフィナンシャルホールディングス株式会社、株式会社ウェブマネー、株式会社ディーカレットが、ブロックチェーン上に発行するデジタル通貨に関する共同検証を実施することを2月18日各社プレスリリースにて発表。
同共同検証は、ディーカレットが構築した、ブロックチェーン上にデジタル通貨を発行、管理するプラットフォームを活用し、「発行~流通~償却」にまつわる業務プロセスの一部と決済処理について、スマートコントラクトを用いた技術的な検証を実施する。
共同検証によるデジタル通貨の発行を資金移動業登録業者であるウェブマネーが行い、発行されたデジタル通貨はKDDIが共同検証の参加者に配布する。同参加者は共同検証用に用意したカフェで同デジタル通貨を用いての決済が可能になるとのこと。またカフェでの購入代金は、決済前日と当日の気温差に応じて、決済前日に比べて当日の気温が低い場合には、ホット飲料の値段を下げるなどのスマートコントラクトを用いた自動割引の有効性も合わせて検証がされるとのこと。
これにより通貨の発行から流通、加盟店での売上金の精算による法定通貨への償却といった、独自デジタル通貨の発行管理に関する一連の業務プロセスを可能な限り自動化する技術検証と、あらかじめ設定された条件に応じて処理を実行するスマートコントラクトの検証が行われる。
なお同協同検証は、2019年7月にKDDIがディーカレットに出資を行った際の目的である「デジタル通貨ビジネスの推進および新たな顧客体験価値の創出」に関する取り組みの一環とのことで、2月18日から2月28日の期間にて行われる。
編集部のコメント
今回検証されるデジタル通貨は、法律上では、仮想通貨ではなく資金移動型の電子マネーに当たるということです。資金移動型は一般的なペイメントサービス等と同じ発行手段となっています。資金移動型にしたことにより、仮想通貨の規制などの障害がなく実証をすることができます。なお仮想通貨やステーブルコインとの違いとしては、資金移動は100万円までの上限があること、発行体の管理外でのP2P取引が出来ないことです。 また従来の資金移動型決済システムと違うのは、ブロックチェーンで管理されることによってスマートコントラクトが利用できることで、プログラマブルマネーとしての扱いになります。 なおブロックチェーン技術にはEnterprise Ethereumが用いられるとのことです。
ディーカレットは30社もの大企業の株主を持つ企業です。今後この共同検証は他の株主も交え行われる可能性があり、実用化に向けて検証が進んでいくと思われます。他のキャッシュレス決済プラットフォームがどのように動いてくるのかその動向も気になります。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
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