メタプラネットがビットコインのプットオプション売却
ビットコイン(BTC)の購入を積極的に進めている東証スタンダード上場企業メタプラネットが、ビットコインの「プットオプションの売取引」を行ったことを10月3日発表した。
発表によると今回の取引は、シンガポール拠点のデジタル資産取引会社QCPキャピタルと行われたもの。契約したビットコインの枚数は223BTCで、満期日は12月27日。権利行使価格は1BTCあたり62,000米ドルとのこと。証拠金は13,826,000米ドルが差し入れられている。
また同取引では1BTCあたり0.1075BTCのオプションプレミアムとして23.972BTCが付与されたとのこと。取得価格としては1BTCあたり8,950,000円。プレミアム取得額は日本円にすると214,549,400円だ。なお表面利回りは10.75%で年率利回りは45.63%になるという。
なお証拠金に関しては、第11回新株予約権の行使代金が元手とのこと。
今回得たプレミアム収入によりメタプラネットのビットコイン総保有数は530.717BTCになったという。購入総額は49.65億円で1BTCあたりの平均購入価格は9,354,425円とのことだ。
なおプットオプションは、特定の原資産(今回はビットコイン)を将来のある期日までに、その時の市場価格に関係なくあらかじめ決められた特定の価格(権利行使価格)・数量で「売る権利」のこと。一定の価格以下には下落しないと予測するときに使うオプション取引のひとつである。
今回メタプラネットが行った「プットオプションの売り」は、「買い」の義務を負うもので、買い手が「売る権利」を「行使」すれば売り手は「買わなければならない」。買い手が「売る権利」を「放棄」すれば売り手は「買わなくてよい」というものだ。
メタプラネットは今回の取引について「当社は、この取引により、現金で満額担保されたポジションを維持しながら、プレミアム収入を生み出すことで、ビットコインの変動性を活用することが可能になります。223枚のビットコインのプットオプションを売却することで、満期日にビットコインの市場価格が 62,000米ドルの行使価格を下回った場合、当社はビットコインを同行使価格で購入いたしますが、保有残高を増やすことができます」と説明している。
またプットオプション売取引のリスクについては「満期日にビットコインの市場価格が権利行使価格の 62,000米ドルを下回った場合、当社は権利行使価格でビットコインを購入する義務を負います。しかし、この取引は現金で担保されており、必要な資金はすでに確保されているため、ビットコインを直接購入する場合と比べて追加の財務リスクはありません」と伝えた。
メタプラネットによると今回の戦略は、ビットコインの保有残高を増やすだけでなく、長期にわたるビットコインのエクスポージャー及び流動性を高め、バランスシートを強化するという同社が遂行している財務戦略に沿ったものになるとのことだ。
参考:メタプラネット
画像:iStock/LongQuattro