DeFi「エセナ」、ブラックロックのトークン化ファンド「BUIDL」に基づくステーブルコイン「UStb」提供へ

EthenaがBUIDL基盤のステーブルコイン提供へ

ステーブルコイン「USDe」発行元のDeFi(分散型金融)プラットフォーム「エセナ(Ethena)」が、「ブラックロック・米ドル機関投資家向けデジタル流動性ファンド(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund:BUIDL)」に裏付けられたステーブルコイン「UStb」の提供予定を9月26日発表した。

「エセナ」では、ステークされたイーサリアム(ETH)とスワップマージンを使用して利回りを生成する貯蓄債券とデリバティブを担保とするイーサリアムベースのステーブルコイン「USDe」を開発している。

「USDe」は、オンチェーンでのカストディと決済を行っている。同ステーブルコインは、ユーザーが提供する担保を利用し、パーペチュアルスワップを使ってイーサリアムをショートすることで価格エクスポージャーをヘッジし、米ドルとのペッグを維持するとのことだ。

今回発表された「UStb」は、「USDe」とは異なったリスクの特性を持つ独立した商品として提供されるとのこと。なおこの商品は「エセナ」とデジタル資産発行プラットフォーム運営のセキュリタイズ(Securitize)の提携のもと提供されるという。

「エセナ」は、ネガティブな資金調達環境時にガバナンスが必要と判断した場合、「USDe」の裏付け資産であるヘッジポジションを解消し、その資金を「UStb」に再配分することでリスク軽減が可能になるとしている。

またこの動的な調整により、「USDe」は不利な資金調達条件下でも安定した状態を保てるという。

ちなみに「BUIDL」とは、米大手資産運用会社ブラックロックが、デジタルアセット発行プラットフォーム運営のセキュリタイズ(Securitize)と提携し、今年3月に立ち上げたトークン化ファンド。

「BUIDL」では1トークン対1ドルの安定した価値提供を目指し、毎日発生する配当を毎月新しいトークンとして投資家のウォレットに直接支払うという。

同ファンドは総資産の100%を現金・米国財務省証券・現先取引に投資する。同ファンドの投資家は、ブロックチェーン上でトークンを保有しながら利回りを得られる仕組みとなっている。また同ファンドの投資家は24時間365日、事前に承認された他の投資家にトークンを譲渡できるとのことだ。

画像:iStocks/Ihor-Tsyvinskyi

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。