サークル「USDC」、Suiにネイティブ対応へ

スイにネイティブ版「USDC」対応へ

米サークル(Circle Internet Financial)発行の米ドルステーブルコイン「USD Coin(USDC)」のネイティブ版トークンが、レイヤー1ブロックチェーン「スイ(Sui)」へ対応予定であることが、サークルより9月17日発表された。

「スイ」は、米メタ(Meta)のブロックチェーン研究開発部門であるディエム(Diem)の元リードエンジニアたちによって設立されたミステンラボ(Mysten Labs)開発のブロックチェーン。「スイ」はディエム開発の開発言語「ムーブ(Move)」を採用している。また「スイ」の他に、ディエムの開発チームに所属していた元メンバーによって開発されているL1ブロックチェーン「アプトス(Aptos)」でも、「スイ」と同じく開発言語には「ムーブ」が採用されている。

今回「ムーブ」言語のブロックチェーンにネイティブ版「USDC」が対応するのは初の事例となる。

また現状「スイ」のネットワーク上では、ブリッジプロトコルを介したブリッジトークンの「USDC」が利用されている。ネイティブ版「USDC」リリースに先立ち、「スイ」上のブリッジ版「USDC」は「wUSDC」へ名称が変更になるという。

また「wUSDC」は、クロスチェーンプロトコルの「ワームホール(Wormhole)」との連携により、ネイティブ版「USDC」への移行が提供される予定とのことだ。

なおネイティブ「USDC」はサークルが保管する準備資産に完全に裏付けられており、常に米ドルと1:1の割合で交換が可能となる。

現在ネイティブ版「USDC」は、イーサリアム(Ethereum)、ソラナ(Solana)、アルゴランド(Algorand)、アバランチ(Avalanche)、ヘデラ(Hedera)、ステラ(Stellar)、ノーブル(Noble:コスモスエコシステム)、アービトラムワン(Arbitrum One)、ベース(Base)、OPメインネット(OP Mainnet)、ニア(NEAR)、ポルカドット(Polkadot)エコシステム、ポリゴンPoS(Polygon PoS)、セロ(Celo)、ズィーケーシンク・エラ(zkSync Era)の15のブロックチェーンに対応している。

CCTPにも対応を予定

また今回サークルは、「クロスチェーン転送プロトコル(Cross-Chain Transfer Protocol:CCTP)」の「スイ」への対応予定も併せて発表している。「CCTP」は、ネイティブ「USDC」を対応ブロックチェーン間で転送可能にする、サークル開発のプロトコルだ。

「CCTP」は現在、イーサリアム・アバランチ・アービトラム・ベース・ノーブル・OPメインネット・ポリゴンPoS・ソラナの8つのブロックチェーンに対応している。なおノーブルはトークン発行プロトコルであり、同プロトコルを介してコスモス(Cosmos)エコシステムへ「USDC」が転送可能になっている。

参考:サークルネイティブ版USDCCCTP
画像:iStock/koyu

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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