国内ライトニングネットワーク企業Nayuta、事業終了へ

Nayutaが事業終了へ

国内を拠点にビットコイン(Bitcoin)の「Lightning Network(ライトニングネットワーク)」関連の開発を行うNayuta(ナユタ)が、事業終了することを9月13日発表した。

発表によると同社の事業終了は、代表取締役CEO栗元憲一氏の健康上の理由が第一とのこと。同氏は一定期間の治療が必要な状況で、「その間これまでと同様に業務を行うことが難しい」と伝えられている。

さらに「Lightning Network(LN)」に関するビジネスが、現在カストディアル(管理型)LNを中心に行われる状況であり、ノンカストディアル(非管理/自己管理型)LNを中心に手掛けるNayutaもカストディアルへ移行する最中であったというが、前述した健康上の理由にて、それを行うことが非常に難しいと判断したとのことだ。

事業終了にあたりNayutaは、同社のLSPノードを3ヶ月後に停止するとした。これにより、Nayutaが提供する「Nayuta wallet(ナユタウォレット)」はLNでの送金ができなくなるという。

同ウォレットはノンカストディアル型のため、ユーザーが保持するビットコインはアプリ内に保持され続ける。しかし送金ができなくなるため、Nayutaはノード停止の3か月の期間ににユーザが「Nayuta wallet」に保持しているビットコインをLN送金で他のLNウォレットに移動するとした。

またNayutaによると、LSPノード停止で「Nayuta wallet」ユーザー保持のビットコインはベースレイヤーのものとして同ウォレットに戻るという。しかしベースレイヤーでの送金はビットコインブロックチェーン上で手数料が引かれることになるという。

ベースレイヤーでの手数料以下の保持金額の場合、ビットコインブロックチェーン上で承認されず動かせなくなるため、ノード停止をする3か月の期間でのビットコインの移動が推奨されている。

「Nayuta wallet」クローズについては、ブログやテレグラムのグループにて今後連絡をするとのことだ。

Nayutaは2015年の設立以来、「Lightning Network(ライトニングネットワーク)」のプロトコル策定に関わる活動から、アプリケーション開発までをグローバルに行ってきた福岡県拠点の国内企業だ。

同社は昨年11月に暗号資産(仮想通貨)取引所などのライセンス企業向けに「Lightning Network」の機能を提供する新事業を開始していた。また昨年7月には「ライトニングネットワークアプリケーション(LApps)」を簡易に開発できる「Nayuta LN environment(ナユタLNエンバイロンメント)」をリリースしていた。

なお「ライトニングネットワーク」は、ビットコインブロックチェーンのオフチェーン・スケーリングソリューション。ブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン取引により、BTCの決済速度の向上や少額決済(マイクロペイメント)、安価な送金手数料を実現する技術である。

参考:Nayuta
画像:iStocks/berya113

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。