インドネシアの取引所「Indodax」、ハッキング被害で約31億円相当流出

「Indodax」がハッキングで約31億円相当流出

インドネシア拠点の暗号資産(仮想通貨)取引所の「インドダックス(Indodax)」が、ハッキング被害により約2200万ドル(約31億円)相当の暗号資産を流出させた。ブロックチェーン調査会社スローミスト(SlowMist)が9月11日に報告している。

その報告によると、今回のハッキングは同取引所の出金システムの脆弱性をついたものであり、ホットウォレットから資金が引き出し可能な状態になっていたという。

またスローミストによると、ハッカーはETHやPOL、USDT、USDC、ARBなど多くの暗号資産を盗み出すことに成功しているとのことだ。

オンチェーンデータ分析プラットフーム「アーカム(Arkham)」のデータによると、「インドダックス」のホットウォレットには合計で約4億ドル(約571億円)相当の暗号資産が保管されていたとのことだ。そのため今回ハッキング被害は比較的小さく済んだと言えるだろう。

セキュリティー会社からの警告があった後、「インドダックス」はこのハッキングの事実を認めシステム全体を一時的に停止して調査を行なうと発表した。またその発表の中で同社は、顧客の資産は100%安全であることを強調している。

記事執筆現在(2024.9.12 17:00)、「インドダックス」のメンテナンスは継続している。また現在「インドダックス」を装った偽のフィッシングアカウントが出現していることも警告されており、混乱に乗じたハッキングにも注意する必要がある。

なお「インドダックス」公式Xにて、メンテナンスが終了するまで1時間経過毎に3人に対して合計で300万ルピア(約2.8万円)をプレゼントするキャンペーンをインスタグラムにて開催しているとの宣伝が9月11日16:03(日本時間)にポストされており、不正アクセスが疑われている。また記事執筆時点でこのポストは残っている。今後発表される正式なリリースを待つ必要があるだろう。

参考:アーカム
画像:iStocks/SIphotography

関連ニュース

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している