インド政府、国家ブロックチェーンフレームワークをローンチ

サービスとしてのブロックチェーン提供へ

インド政府電子情報技術省(MeitY)が、同国における国家ブロックチェーンフレームワーク(NBF)のローンチを9月4日発表した。

NBFのローンチ発表は、MeitYで開催されたプログラムの中でMeitYのシュリ・S・クリシュナン(Shri S. Krishnan)長官によって行われた。

同フレームワークは、政府部門がソリューションを開発するためのプラットフォームの提供や、研究者や中小企業がラピッドプロトタイピング(RP)を行うための軽量プラットフォームの提供など、複数の目的があるという。

今回発表された国家ブロックチェーン技術スタック「ヴィシュヴァシャ(Vishvasya)」は、サービスとしてのブロックチェーン(BaaS)を提供する役割を果たす。これにより、ユーザーはノードとネットワークをスピンアップし、いくつかのテンプレートを含むスマートコントラクトを開発できるようになる。

同技術スタックは、分散型インフラストラクチャー、コアフレームワーク機能、スマートコントラクト及びブロックチェーンアプリを使用する外部開発者向けのAPIゲートウェイ、セキュリティ、プライバシー&相互運用性、BaaSを提供するアプリケーション開発で構成されている。

なお技術スタックは、インド各地のNICデータセンター、つまり地理的に分散されたインフラ上で運用されているという。

また今回、NBFが2つの許可制ブロックチェーンプラットフォームをサポートしていると発表されたが、どのブロックチェーンかについては言及されていない。

NBFの発表にあわせMeitYは、ブロックチェーンを使ってモバイルアプリのセキュリティを検証するアプリ「プラアマニック(Praamaanik)」、ブロックチェーンの動向に関する最新情報を閲覧者に提供する「国家ブロックチェーンポータル(National Blockchain Portal)」、ブロックチェーン・サンドボックス・プラットフォーム「NBFライト(NBFLite)」も発表した。

「プラアマニック」ではアプリケーション開発者はモバイルアプリの電子指紋を提示し、それがブロックチェーンに登録される。ユーザーはアプリをダウンロードする際、検証用モバイルアプリを使用することで、そのアプリが改ざんされていないことを確認できる仕組みだ。

また、スタートアップ企業や研究機関向けに開発されたブロックチェーン・サンドボックス・プラットフォーム「NBFライト」では、 アプリケーションのラピッドプロトタイピング、研究、キャパシティビルディングが可能だという。この開発にはMeitY支援の下、MeitYの研究機関であるC-DAC、国立情報センター(NIC)、中央銀行が設立した銀行技術の研究機関であるIDRBTハイデラバード、インド工科大学ハイデラバード校(IITH)、国際情報技術大学ハイデラバード校(IIITH)、チェンナイの電子取引・セキュリティ学会(SETS)などが関わっているとのことだ。

参考:発表
画像:iStocks/Alex-Sholom・Rawpixel

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者