アジア全域でビットコイン活用の推進を目指す、「Stacks Asia Foundation」発足

設楽悠介

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「Stacks Asia Foundation」発足

スマートコントラクト導入のビットコインL2ネットワーク「Stacks(スタックス)」に関連する、アジアにフォーカスした財団「Stacks Asia Foundation」が正式発足を9月12日発表した。

「Stacks Asia Foundation」はStacks保有者からの1,500万ドルの資金提供で活動を開始する。そしてアジアにおいて戦略的アドバイザーによるサポート体制を構築し、同地域のStacksエコシステムの成長と発展をリードしていく予定だ。なお予算については将来的な拡大も検討されるとのこと。また同財団は米国拠点「Stacks Foundation」とは独立した組織とのことだが、補完的な分野での協力も予定されているようだ。

そして今回発足した非営利団体である「Stacks Asia Foundation」を戦略パートナーとして支えるのは、DeSpread、Spartan Group、SNZといった市場のリーディング企業だ。

「Stacks Asia Foundation」は発表にて「財団設立によりインフラプロバイダー、機関投資家、開発者、そしてブロックチェーン技術の未来を形作る思想的リーダーたちとの関係を構築し、発展させていくことが可能となる」とし、「韓国、香港、シンガポール、日本、東南アジア、UAEなど、アジア全域の主要市場において、双方に利益をもたらす関係を促進することを目指す」としている。

なお具体的な取り組みとして、地域の開発者を支援するための戦略的パートナーシップやプログラムの実施、エコシステム内の重要な資産の流動性とアクセス可能性を確保するための取り組み、そしてビットコインDeFiエコシステムへの支援などが挙げられている。

また発表された「Stacks Asia Foundation」の活動展開における3つの柱は次の通りだ。

  • リレーションシップ: Stacksレイヤーにおける重要な統合を推進し、機関投資家との深い関係を構築し、投資家教育を提供。
  • マーケット: 重要なエコシステム資産へのアクセスと流動性を強化。
  • アダプション: StacksにおけるTVL(スマートコントラクトで運用されるビットコイン資産)の推進、地域での認知度向上、およびユーザー増加を支援。

なおStacksエコシステムに長年貢献してきたKyle Ellicott氏が、暫定的に「Stacks Asia Foundation」を率いることも発表されている。Kyle氏は、スタートアップやベンチャーキャピタルにおいて15年以上の経験を持ち、Stacks Accelerator & Ecosystem Fund(現Bitcoin Frontier Fund)の立ち上げや、OKX VenturesやAlumni Ventures Groupなどの主要パートナーと共に1億6500万ドル規模の「Bitcoin Odyssey」ファンドの設立にも貢献してきた人物だ。

そして韓国を拠点とするWeb3市場戦略コンサルティング企業 DeSpreadの創設者兼CEOであるGM Chung氏、アジアを代表するブロックチェーンアドバイザリー企業 Spartan Groupの共同創設者兼パートナーであるMelody He氏、Stacks FoundationのエグゼクティブディレクターであるMitchell Cuevas氏が、アドバイザーとして参画予定だ。

なお「Stacks Asia Foundation」発足に合わせ、同財団は最初の目標の1つも発表している。それは各地域の主要市場におけるリージョンリードの採用だという。それぞれの市場における主要な目標を定義し、地域のコミュニティやパートナーとの連絡役を務め、Stacks Foundationと緊密に連携して開発者支援や教育活動を推進していくリージョンリードの採用がファーストアクションになる。

すでに公式サイトに採用情報が公開されているので、ご興味のある方はチェックしてみてもいいだろう。

また今回の発表にあたり「Stacks Asia Foundation」のアドバイザーとなるDeSpread創設者兼CEO GM Chung氏は次のようにコメントしている。

「Stacksがアジアへ本格的に進出するのをとても楽しみにしています。アジアは歴史の深みと多様な文化が共存する地域であり、世界がその経験と強みから学ぼうとしています。この拡大を通じて、Stacksやビットコインコミュニティがアジア地域とより緊密に関わり、文化的および技術的な進展をもたらすことを期待しています」

また同じくアドバイザーとなるSpartan Group共同創設者兼パートナー Melody He氏も次のようにコメントしている。

「Spartanは、アジアがWeb3の消費者採用をリードし、BTCエコシステムの成長を大きく促進すると強く信じています。Stacks Asia Foundationの発足によるStacksのアジア地域への拡大は、この二重の機会を捉えるための完璧な位置付けです。2017年から長期にわたってサポートしてきた当社にとっても、アジアがWeb3の革新の中心地となるというビジョンに合致しています」

アジアはStacksが初期のトークンセールから大規模な参加を得てきた市場であり、強力な投資家基盤がある地域だ。そのアジアに特化した財団が発足し、アジアにおける既存の強力な地域的プレゼンスのさらなる拡大を同財団は目指していくとのことだ。

関連リンク

「Stacks Asia Foundation」の活動の詳細や今後の展開/プロジェクトなどについては公式サイトや公式Xアカウントで発表されていく予定だ。ぜひこちらもチェックしてみてほしい。

※メディア問い合わせ先メール:press@stacksasia.foundation

「Stacks」とは?

「Stacks」はスマートコントラクトをビットコインに導入することで、DeFi(分散型金融)アプリケーションの展開に適した環境の構築を目指すプロジェクト。いわゆるビットコインのレイヤー2領域のプロジェクトだ。なお「Stacks」の独自トークン「STX」を一時的にロックし、ネットワークのセキュリティとコンセンサスをサポートすることで、報酬としてビットコイン(BTC)の獲得が可能だ。

この記事の著者・インタビューイ

設楽悠介

「あたらしい経済」編集長/幻冬舎コンテンツビジネス局局長 幻冬舎でブロックチェーン/暗号資産専門メディア「あたらしい経済」を創刊。同社コンテンツビジネス局で電子書籍事業や新規事業を担当。幻冬舎コミックスの取締役兼務。「Fukuoka Blockchain Alliance」ボードメンバー。福岡県飯塚市新産業創出産学官連携協議会委員。ポッドキャスターとして、Amazon Audible original番組「みんなのメンタールーム」や、SpotifyやAppleにてweb3専門番組「EXODUS」や「あたらしい経済ニュース、ビジネス系番組「二番経営」等を配信中。著書『畳み人という選択』(プレジデント社)。

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