島根県出雲市でブロックチェーン活用のデジタル地域通貨提供へ
山陰合同銀行(ごうぎん)を代表とする、三菱総合研究所(MRI)およびアルテミスビュースカイとの3社共同事業体が、島根県出雲市の「出雲市デジタル地域通貨のシステム構築及び運営業務」を受託した。ごうぎんおよびMRIが9月12日発表した。
「出雲市デジタル地域通貨のシステム構築及び運営業務」は、同市内店舗等での購買行動の促進による地域経済活性化、行政ポイント付与による地域課題解決を通じて地域全体のウェルビーイング(幸福感)の向上を図るデジタル地域通貨事業であるという。今後山陰地域で推進する「さんいんウォレット(仮称)」を活用することで、出雲市民・店舗にとってより身近で便利なサービスとしての提供が期待できるとのこと。
同サービスの対象者はアプリ登録をした市民および来訪者。また加盟店は、市内のデジタル地域通貨が利用できる店舗として登録した事業者となる。
なお同サービスは、2025年2月から出雲市でのサービス提供を順次開始するという。それにあたり今秋から同3社は、出雲市内の加盟店や市内外の利用者獲得など、サービス準備を開始するとのことだ。
同事業でごうぎんは、市内で使える地域通貨となる出雲市マネーや還元ポイント、行政ポイント、地域ポイント(いずれも仮称)の発行主体となる。また同行はこれらポイントなどのさまざまな機能が1つのアプリ上で利用できる「さんいんウォレット(仮称)」の提供者にもなるとのこと。
MRIは、ブロックチェーン技術により自社開発したデジタル地域通貨サービス「Region Ring(リージョンリング)」を活用した「さんいんウォレット基盤(仮称)」の開発・運用、シンクタンクとして調査・コンサルティング事業で蓄積したノウハウを生かした「EBPMの推進・データ活用」を担うとのこと。なおEBPMは、経験や直感ではなく、目的を明確にしたうえでデータや合理的根拠をもとに政策を立案することを指す。
そしてアルテミスビュースカイは、出雲市で長年「まいぷれ・まいポ」事業(地域情報サイト・ポイント)を運営するノウハウを活用し、加盟店の確保・拡大をはじめとする普及促進業務を担うとのことだ。
MRIおよびごうぎんは今年5月、山陰地域における「デジタル地域通貨事業」を共同実施することを発表。同取り組みにあたり、「さんいんウォレット基盤(仮称)」の構築および「Region Ring」の採用が伝えられていた。
この発表の際に「あたらしい経済」編集部がMRIに取材したところ、「Region Ring」および「さんいんウォレット基盤(仮称)」で採用するブロックチェーンは、国内ブロックチェーン関連開発企業のチェーントープ(chaintope)が提供するブロックチェーン「タピルス(Tapyrus)」であると回答を得た。
参考:MRI・山陰合同銀行
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