アパートメントホテル「MIMARU」でweb3活用で旅行体験の実証実験
大和ハウスグループのコスモスイニシアおよびコスモスホテルマネジメント、国内web3スタートアップのUPBONDの3社が、web3を活用した新たな旅行体験のための実証実験を9月17日から開始する。同3社が9月10日発表した。
この実証実験で3社は、NFT会員証を軸とした、インバウンド対象の旅前〜旅中〜旅後のシームレスな旅行体験の提供を目指すとのこと。
なお実証実験が行われるのは、コスモスイニシアが開発、コスモスホテルマネジメントが運営するアパートメントホテル「MIMARU」の2施設(MIMARU東京八丁堀、MIMARU東京STATION EAST)だ。なお同ホテルは東京・大阪・京都に27施設を展開しているという。
同ホテルでは宿泊者の90%以上が外国人であるため、訪日外国人家族ならではの不安や習慣の違いによる不便を解消するサービス「KURO-GO」を開始。同サービス第1弾となる手荷物当日配送サービスでは、「MIMARU東京エリアと羽田・成田空港間」の手荷物を当日配送することで、荷物の多い入国・帰国時や子供と一緒の電車移動、観光地での滞在を身軽にし、快適な移動をサポートしているという。
今回の実証実験では、「KURO-GO」荷物配送サービスを利用する「MIMARU」の当該2施設に宿泊する顧客を対象に、web3を活用したNFT会員証を発行するという。
NFT会員証には、荷物配送サービスの申込および本人確認機能、およびパスポートの事前登録機能を搭載し、この機能を使用する宿泊者に対してインセンティブとしてステーブルコインを付与するとのことだ。
「あたらしい経済」編集部がUPBONDに対し、同実証実験で付与されるステーブルコインについて取材したことろ、米ドルステーブルコインのUSDCが利用されるという。1回のインセンティブはおおよそ10USDCとなる予定とのことで、対応するチェーンはポリゴン(Polygon)だという。
今回の実証実験により同3社は、世界中の旅行者に旅前〜旅中〜旅後の旅行者の煩雑な手続きを削減し、本人確認プロセスにおける顧客体験価値の向上、およびNFT、ステーブルコインの受容度などの検証を実施するとのことだ。
実証実験の背景
インバウンドの需要が高まっている観光業界においては、旅行者の個人情報がサービス毎の企業に保有されているため、旅行者が宿泊先のホテルにおいてパスポートの確認や、台帳記入が必要であり、またサービス予約ごとに個人情報の記入、およびサービス体験前の本人確認を求められるなど、旅行者の不便や旅前〜旅中〜旅後の体験を一貫して繋げられないという課題があるとのこと。
この課題に対し、ユーザー情報や予約情報を安全かつ効率的に記録できるWeb3を活用することで、このような旅行者の煩雑な手続きを解消し、お客さまのシームレスな旅行体験に繋がると考え、実証実験をするに至ったとのことだ。
参考:コスモインシニア
画像:iStocks/alice-photo