ナスダックISEとNYSEアメリカン、ビットコインとイーサリアムのETFのオプション申請を取り下げ

Cboeに続き

NYSEアメリカン(NYSE American:旧アメリカン取引所)とナスダック国際証券取引所(Nasdaq ISE)が、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の上場投資信託(ETF)のオプション取引の上場に関する米証券取引委員会(SEC)への提案を取り下げた。

ナスダックは8月15日の提出書類にて、現物によるビットコインETFとイーサリアムETFの株式を表すオプションの上場と取引に関する要求を取り下げた。NYSEアメリカンも8月14日、「ビットワイズ・ビットコインETF、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(BTC)、ビットコインを保有するトラストに対するオプションの上場と取引を許可する」要求を取り下げている。

過去1週間で、マイアミ国際証券取引所(MIAX)等の、他の米国証券取引所もこれらETFの上場に関する提案を取り下げている。

これらの撤回の理由について説明されていないが、ブルームバーグ・インテリジェンスのジェームス・セイファート(James Seyffart)氏はXにて、「(ナスダックとNYSEが)Cboeのように、数日から数週間のうちに再申請することを期待している」と述べている。

オプションは、株式や上場商品などの資産を、決められた期日までにあらかじめ決められた価格で売買する権利を保有者に与えるもの。

SECは今年3月、ナスダックやCboeが提案したビットコインETFのオプション取引の判断を延期していた。その後Cboeは8月に再度オプション取引についてSECへ再申請している。

暗号資産運用会社のグレースケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)はSECに対し、同社のGBTCをはじめ、他の現物ビットコインETPのオプションを認めるよう働きかけている。

オプションは、株式や上場商品などの資産を、設定された日付までにあらかじめ決められた価格で売買する「権利」を保有者に与える上場(市場)デリバティブ。トレーダーにとっては購買力を増幅させる安価な手段であり、機関投資家にとってはリスクヘッジに利用されることが多い。

グレースケールの元CEOであるマイケル・ソネンシャイン(Michael Sonnenshein)氏は2月にSECへ送った書簡にて、オプションへのアクセスは投資家の利益にとって極めて重要と述べていた。

関連ニュース

参考:8月13日提出書類(NYSE Arca)8月14日提出書類(NYSE American) ・8月15日提出書類(NASDAQ)
images:iStocks/Funtap

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

【11/22話題】SECゲンスラー委員長が退任へ、金融庁が暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討など(音声ニュース)

米SECゲンスラー委員長が来年1月に退任へ、功績評価の一方で反発や批判も、金融庁、暗号資産・ステーブルコイン仲介業の新設検討=報道、国民・玉木代表が税制改正要望を与党に提出、暗号資産への申告分離課税導入など提案、米裁判所、SECの「ディーラー」定義めぐる訴訟で関連規則を破棄するよう命じる、リミックスポイントが5億円でBTC・DOGE・XRP購入、投資総額30億円に、マスターカードとJPモルガン、ブロックチェーン決済ソリューションを連携 、コインベースが「WBTC」取扱い廃止へ、背景にジャスティン・サンの影響か、2019年のアップビットのハッキングは北朝鮮ハッカー関与か、韓国警察が特定、米ドルステーブルコイン「FDUSD」、スイに対応開始、Injective、オンチェーンAIエージェントSDK「iAgent」リリース

広告

ビットワイズ、「ソラナ現物ETF」を上場申請

米暗号資産(仮想通貨)運用会社ビットワイズ(Bitwise)が、ソラナ(Solana)を基盤とするETF(上場投資信託)の上場申請を、米国証券取引委員会(SEC)に提出したと11月21日発表した。なおこの申請は、株式取引所シーボーBZX取引所(Cboe BZX exchange)を通じて行われたとのこと。またビットワイズは発表上で同商品についてETP(上場取引型金融商品)と記載している