バイナンスラボ、MEV活用のリキッドステーキング「aPriori」に出資

Binance LabsがaPrioriへ出資

ベンチャーキャピタル(VC)業務およびインキュベーションを行うバイナンスラボ(Binance Labs)が、MEVを活用したリキッドステーキングプラットフォーム「アプリオリ(aPriori)」に出資したことを発表した。発表は7月25日に「アプリオリ」により行われ、バイナンスラボも7月31日にブログで発表している。

なおMEVとは、ブロックチェーンのマイナーまたはバリデーターがブロックを生成する過程でトランザクションの組み込み、除外、順序の変更を行うことで、通常のブロック報酬やガス報酬とは別に得られる最大の利益のこと。ただしMEVには様々な種類があり、高速な清算などユーザーに良い影響を与えるものもあれば、サンドイッチボットなどのユーザーに悪い影響を与えるものもある。

「アプリオリ」が行った今回の資金調達は、ベンチャーキャピタルのパンテラキャピタル(Pantera Capital)が主導し、大手暗号資産取引所OKXの投資部門OKXベンチャーズ(OKX Ventures)やベンチャーキャピタルのABCDEからも出資を受けたことが分かっている。なお資金調達額は1000万ドルとの事だ。

バイナンスラボはこの資金調達ラウンドに参加しており、インキュベーションを提供していることがわかっている。

「アプリオリ」は、高速L1ブロックチェーンである「モナド(Monad)」におけるMEVインフラストラクチャーおよび、それを利用したリキッドステーキングプラットフォームを提供している。

これを通じて「モナド」のガス料金を削減することや、ネットワークパフォーマンスの向上、バリデータへのインセンティブの維持を行いユーザー体験を向上させることを目標としているという。

バイナンスラボによると、今回の資金調達により、「アプリオリ」チームは拡大し、研究開発の取り組みを加速し、セキュリティプロトコルを強化、大量の情報を処理するためにブロックチェーンのパフォーマンスを最適化するための取り組みを進めることができるという。

「アプリオリ」のCEOであるレイ(Ray)氏は、「私たちアプリオリは、モナドでMEVを元にしたのリキッドステーキングプラットフォームを開発しています。高スループットの並列EVMネットワーク用に独自に設計された新規製品を革新し、導入する際に、バイナンスラボのサポートがあることに興奮しています」と語っている。

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参考:バイナンスラボブログ 
images:iStocks/ChrisGorgio

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この記事の著者・インタビューイ

田村聖次

和歌山大学システム工学部所属 格闘技やオーケストラ、茶道など幅広い趣味を持つ。 SNSでは、チェコ人という名義で、ブロックチェーンエンジニアや、マーケターとしても活動している。「あたらしい経済」の外部記者として記事の執筆も。