スロベニア共和国が初のデジタル債券を発行、BNPパリバ通じて

中央銀行ホールセール資金決済実験プログラムの一環

スロベニア共和国初となるデジタル債券が7月25日発行された。同国が7月26日発表している。

発表によれば同債券は、欧州中央銀行(ECB)のホールセール中央銀行マネー(CeBM)決済実験プログラムの一環として発行されたという。債券の決済は、フランス銀行(BdF)の相互運用システムのトークン化キャッシュソリューション(DL3S)を通じて、ホールセール中央銀行のデジタルマネーによるオンチェーンで実行。 BNPパリバが発行し、販売した。 なおBNPパリバは、グローバル・コーディネーターおよびソール・ブックランナーを務め、債券の発行には同行のプライベート・トークナイゼーション・プラットフォームである「ネオボンド(Neobonds)」を使用した。なお「ネオボンド」はCanton Network(カントンネットワーク)上で米デジタルアセット社(Digital Asset)の「Daml」言語を使用する分散型台帳技術(DLT)ツールだ。

なおカントンネットワークは、機関投資家向けに設計されたブロックチェーンネットワーク。同ネットワーク参加者には、デジタルアセットをはじめ、デロイトやマイクロソフト、パクソス、S&Pグローバル、SBIデジタルアセットらが参加している。

スロベニア共和国のデジタル債券は、額面3,000万ユーロ、利率3.65%、最終償還期限が2024年11月25日となっている。

 スロベニア共和国は、中央政府の債務管理や金融市場全般において、新技術の先駆的な活用に取り組んでおり、「 トークン化された卸売中央銀行貨幣を用いたこれらの初期取引と実験は、より広範なテクノロジーの導入による金融市場の透明性と効率性の向上への重要な足がかりとなるもの」だと説明されている。

ECBは6月、4月に開始した分散型台帳技術(DLT)のテストを拡大した第2フェーズを開始。第2フェーズにはBNPパリバを含む48の金融機関が参加していた。

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参考:スロベニア共和国政府発表ECB
images:iStock/BlackSalmon

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者