NRIが「暗号資産インデックス」を開発し1月31日より提供開始(NRI投資情報サービス事業部長小室氏のコメントも掲載)
株式会社野村総合研究所(NRI)は、インテリジェンスユニット合同会社とともに、暗号資産(仮想通貨)を投資対象として評価する際にベンチマークとなる「NRI/IU暗号資産インデックスファミリー」を開発したことが明らかになった。
このサービスは、国内外の機関投資家・金融情報ベンダー・暗号資産取引所向けに、NRIの金融情報データベース提供サービス「IDS」を通じて1月31日に提供を開始する ・対象となる通貨は、海外主要カストディで資産保全が可能な主要銘柄、現時点ではBitcoin、Bitcoin Cash、Ethereum、Litecoin、XRPとなっている。日次での評価は東京時間の午後3時に行う。
サービス開始の背景は、暗号資産市場は2018年初頭にバブルがはじけたものの、各国の規制や、既存金融機関の参入に伴うインフラの整備が進んだこと。そして市場の流動性が拡大したことを受けて、近年では新しいオルタナティブ資産(上場株式や債券などの伝統的な金融資産以外の資産)として、欧米の機関投資家・大学基金・富裕層が投資を開始していることが挙げられている 。
あたらしい経済編集部の取材に対して、NRI投資情報サービス事業部長小室氏は「暗号資産のインデックス開発も、通常のインデックス開発と同様に半年ほどで完成しました。そして、インデックス開発の背景となった機関投資家の動向ですが、実感値として増えていると思います。それは、長期化するマイナス金利の影響で、投資先が限定され、不動産投資、スタートアップ企業投資に多くの資金が流れています。しかし、リターンをすぐに得られることが難しく且つ案件も減ってきています。だから、換金可能で流動性の高い暗号資産への投資ニーズは高くなると想定しています」とコメント。
なお編集部がNRIがインデックスに関する暗号資産の金融商品を開発する予定があるかどうかについて尋ねたところ、「現在のところ検討はしていない」とのことだった。
編集部のコメント
最近、暗号資産のインデックスが増えてきているのは明らかです。例えば、米大手証券取引所ナスダックが、仮想通貨データプロバイダCryptoindexの提供によるAI分析のインデックスCIX100を提供を開始しました。
さらに、2013年創業で、Digital Currency Group傘下のグレイスケールは、2019年にアメリカ規制当局から承認を受けて上場デジタル通貨インデックスファンドを運営しています。日本もアメリカや各国と同様に、機関投資家の暗号資産業界への参入が多くなってきました。今後は、インデックスに基づいた金融商品が開発され、運用開始されてようになるだろうと、あたらしい経済編集部は考えます。
コメント:竹田匡宏(あたらしい経済)
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