チェーントープ、三菱総研、近鉄、オムロンがブロックチェーン技術を用いたデジタル乗車券の実証実験を開始
近畿日本鉄道株式会社、株式会社三菱総合研究所、オムロン ソーシアルソリューションズ株式会社、株式会社chaintope、近鉄グループホールディングス株式会社の5社が、ブロックチェーン技術とQRコードを活用したデジタル乗車券の実証実験を開始することを1月29日プレスリリースにて発表。
同実証実験は、2月17日~23日までの期間で、近鉄難波線「近鉄日本橋」駅と近鉄大阪線「近鉄八尾」駅において参画各社の関係者50名程度を対象に、スマートフォンのアプリ上で発行したデジタル乗車券を自動改札機で利用する形で行われる。
同実証実験は、総務省が行う「地域経済の活性化に資するブロックチェーン技術による情報の安全かつ円滑な流通及び『スマートコントラクト』による省力化等の検証及び社会実装に向けた調査研究」の一環として行われるとのこと。
また同実証実験は、ブロックチェーン技術がもつデータの信頼性や耐改ざん性といった特徴を活かし、セキュリティ面の強化のほか、乗客の利便性向上や駅業務の効率化など、同技術の新たな利用可能性を検証するものであるとのこと。
同実証実験で確立したデジタルチケット技術は、今後、鉄道をはじめとしたさまざまな分野に応用し、紙の乗車券や施設の入場券など各種チケットのデジタル化を推進するほか、スマートコントラクト機能を活かした省力化の実現、MaaSやデジタル地域通貨などと組み合わせた新たなサービスの創出など、ブロックチェーン技術の社会実装を進めていくとのこと。
編集部のコメント
近鉄グループホールディングスと三菱総合研究所は、ブロックチェーン技術を活用した地域活性化 に資する取り組みとして、今までに近鉄ハルカスコインの社会実験、大阪上本町駅周辺でデジタル 地域通貨の実証事業、近鉄しまかぜコインでてデジタル地域通貨の実用化を行ってきました。
今回の実証実験の将来的な目標は、上記デジタル地域通貨等の決済機能と一体化することや、スマートフォンで発券、移動、施設利用から決済までの一連の旅行の流れを完結すること、移動、購買にかかるさまざまなリアルタイムデータを一元的に集約および分析し、新規需要の創出や地域全体の競争力強化・魅力向上に寄与する新たなサービスを実現することです。
今回の実証実験はデジタル乗車券の利用ということですが、この目標への第一ステップだと思われます。電車の乗降にはSuicaやPASMOが圧倒的に普及をしていますが、それよりも便利なものが出来ればその立場が逆転する未来は確実に来るものと思います。
コメント:大津賀 新也(あたらしい経済)
(images:Kochakorn-Wannanit)