米大手投資管理会社ハミルトン・レーン、ソラナ上でプライベート・クレジット・ファンド「SCOPE」立ち上げ

大手マーケットメイカーらが買い手候補に

9,200億ドル超の運用・管理資産を有する米大手投資管理会社ハミルトン・レーン(Hamilton Lane)が、ソラナブロックチェーン上のプライベート・クレジット・ファンド「シニア・クレジット・オポチュニティーズ・ファンド(SCOPE)」を立ち上げたと7月23日発表した。

ハミルトン・レーンは、同取り組みのために、機関向けのオルタナティブ投資に関するweb3インフラ「リブレ(Libre)」と提携。リブレは野村ホールディングスの関連子会社レーザーデジタル(Laser Digital)とブレバン・ハワード(Brevan Howard)のWebN Groupによるジョイントベンチャーだ。

これによりソラナユーザーは「SCOPE」をはじめ、ブレバン・ハワードマスターファンド(Brevan Howard Master Fund)やブラックロックICSマネーマーケットファンド(Blackrock ICS Money Market Fund)といった、多くのオンチェーンファンドにアクセスできるようになるという。

トークン化のオンチェーン・ファンドは、一口200万ドルからという伝統的金融の最低投資額よりはるかに低コストな1万ドルほどからの投資を可能にするため、個人投資家はより容易にブラックロックICSマネーマーケットファンドのような伝統的ファンドにアクセス可能になった。

またソラナ上で同ファンドを立ち上げることで、他のソラナDeFiプロトコルで担保資産として利用できるメリットもある。

リブレのCEO兼創業者のアヴター・セーラ(Avtar Sehra)博士は、「SCOPE」をトークン化することで、「大衆富裕層、暗号資産ネイティブのトレーダーにアクセスし、ハミルトン・レーンの機関投資家ファンドの普及を促進するチャンスがある」とフォーチュン誌に語っている。

また同氏は、ソラナの「低レイテンシーとスループット能力」がトークン化にとって魅力的なネットワークだと評価。 「ソラナ上でのリブレ・ゲートウェイの立ち上げは、ソラナ上のユーザーが資産・財務管理ツールにアクセスできるようにするための大きな前進であり、リブレがソラナの低レイテンシーとスループット能力を活用して、新しく革新的なサービスを開始するためのものだ」と強調した。

SCOPEについて

2022年に運用を開始した「SCOPE」は、安全性と利回りを求める投資家向けのシニア・プライベート・クレジット・ファンドだ。上昇市場でも下落市場でも一貫したパフォーマンスと現金利回りを生み出すことを目指しているという。なお運用資産は約5億5,600万ドルで、米ドル建て年率10%の利回りを提供している。

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参考:フォーチュン誌リリース
images:iStock/Nobi_Prizue・keko-ka

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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