大手マーケットメイカーらが買い手候補に
DEX(分散型取引所)「dYdX」の前バージョン「dYdX v3」について、同プラットフォーム開発会社であるdYdXトレーディング(dYdX Trading Inc.)は売却を検討しているようだ。関係者筋の話としてブルームバーグが7月23日報じた。
買い手候補としては、アルゴリズム取引を提供するウィンターミュート(Wintermute)とオルタナティブ投資で主にデジタル資産を運用するセリーニ キピタル(Selini Capital)が挙げられている。なお売却金額は非公開とのこと。
なおこの報道と同日、dYdXは「dYdX v3」のウェブサイト(dYdX.exchange)が「侵害されている」ことが判明したと発表。 追って通知があるまで、ウェブサイトの閲覧や、リンクをクリックしないようXで呼びかけている。なお「dYdX v4」は関係しないとのことだ。
現在も「dYdX v3」は稼働中であり、この報道がなされた後で同アクシデントが発生した格好だ。
現在の最新バージョンである「dYdX v4」は、Cosmos(コスモス)のブロックチェーン開発キット「Cosmos SDK」を利用して開発されたdYdXの独自チェーン上に構築されている。dYdXではビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)等の暗号資産のパーペチュアル取引を行うことができる。
なお前バージョンのv3は、Ethereum(イーサリアム)のレイヤー2ソリューションである「Stark-net(スタークネット)」上に構築されていたが、独自チェーンである「dYdXチェーン」に昨年10月に移行した。
v3についてdYdXトレーディングは開発および運営を行っており、v4については開発のみで運営はdYdXコミュニティによるガバナンスで運営されている。
今年5月にはdYdXの創業者であるアントニオ・ジュリアーノ(Antonio Juliano)氏が、dYdXトレーディングのCEOを退任することを表明。CEO退任後は同社の会長兼社長に就任するとした。
We just learned that dYdX v3 website (dYdX . exchange) has been compromised.
— dYdX (@dYdX) July 23, 2024
Please do not visit the website or click any links until further notice. An update will be provided when available.
This message does not relate to dYdX v4.
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参考:ブルームバーグ
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