韓国で「暗号資産利用者保護法」が施行、規制強化へ

暗号資産規制強化へ

韓国の金融規制当局(FSC)が、「暗号資産利用者保護法」を7月19日から施行した。

同法は暗号資産市場の健全な秩序を確立し、利用者の保護を確保することを目的としたもの。「利用者の預金及び仮想資産を保護すること」、「価格操作などの不公正な取引行為を規制すること」、「金融規制当局が暗号資産サービスプロバイダー(VASP)を監督、検査、制裁し、不公正な取引行為を行っている者を調査し、適切な措置を講じる権限を与えること」等が盛り込まれている。

VASPへは、顧客資産を銀行で保管することや、顧客資産の分別管理及び顧客資産と同等の暗号資産を実際に保有すること、また、ハッキング等のネットワーク障害事故による賠償責任に備え、保険への加入や、事故に備えた積立金の積み立てなどが義務付けられる。

またVASPは、不審な取引の監視体制を常時整備し、不審な取引を直ちに韓国の金融規制当局である韓国金融監督院(FSS)に報告しなければならない。不公正取引行為が発覚した場合は、刑事罰や課徴金の対象となる可能性があるとのことだ。

また同法の施行により、FSSには、VASPが利用者保護の義務を遵守しているか検査する権限が与えられ、FSCにはルール違反者に対して是正命令、業務停止命令、行政罰などの制裁を科す権限が付与されるとのことだ。

韓国の国会では昨年6月30日、暗号資産の不公平取引に損害賠償責任を課す新法「暗号資産利用者保護法案」が可決された。

同法案では、非公開情報の使用、市場操作、不公正な取引慣行などの違反行為に対する罰則が定められている。

また、韓国の与党「国民の力(국민의힘)」は暗号資産取引収益への課税を少なくとも2028年まで遅らせることを7月12日に提案している。

関連ニュース

参考:FSC発表国民の力 提案
image:iStock/Jae-Young-Ju

関連するキーワード

この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

合わせて読みたい記事

パクソス、「Arbitrum One」でステーブルコイン発行へ。イーサL2は初

ステーブルコイン発行会社パクソス(Paxos)が、イーサリアム(Ethereum)のレイヤー2スケーリングソリューション「アービトラムワン(Arbitrum One)」上で、ステーブルコインを発行予定であることを9月10日発表した。パクソスによる「アービトラムワン」対応は初のレイヤー2チェーン展開となる

【9/13話題】DCJPYのディーカレットが63.49億円調達、Swiftがトークン化された証券取引のテスト計画など(音声ニュース)

デジタル通貨「DCJPY」のディーカレット、13社から63.49億円調達。新株主に8社、Swift、トークン化された証券取引のテスト計画を発表、国内ライトニングネットワーク企業Nayuta、事業終了へ、eToroが米SECと和解。ほぼ全ての暗号資産取引を停止へ、コインベース、ラップドビットコイン「cbBTC」をBaseとEthereum上に展開、ロシア、来年7月までに「CBDC」普及目指す計画。中銀が発表、BitGoが「WBTC」をアバランチとBNBチェーンで展開、レイヤーゼロのOFT標準採用で、データ分析会社Nansenがステーキングサービス「Stakewithus」買収、20種類以上の暗号資産に対応、インドネシアの取引所「Indodax」、ハッキング被害で約31億円相当流出

広告