香港規制当局ら、ステーブルコイン発行体のライセンス取得義務についての協議結果を報告、早期立法化へ

コンサルテーションの結論を報告

金融サービス・財務局(FSTB)と香港金融管理局(HKMA)が、香港の法定通貨参照ステーブルコイン(FRS)発行者へのライセンス制度に関するコンサルテーションの結論を7月17日報告した。

両機関は報告書の中で、回答者の大多数がFRS発行者にライセンス制度を導入すべきとの意見に同意したと述べた。

同協議は2カ月間の公開協議で、2月に終了したという。また、業界関係者や専門機関から108件のコメント提出があったという。

また報告書で両機関は、「香港で規制対象となるFRS発行者はHKMAからライセンスを取得する必要がある」とし、「FRS発行者の設立地、事業所所在地、FRS利用者へのその後の顧客サービスの提供、発行・償還請求の処理に香港の銀行口座を使用しているかどうかなどの要素を考慮する。この件に関してはさらなるガイドラインを提示する予定だ」と報告した。

またHKMAは、「ある人物が香港の一般市民に対してFRSの発行を『積極的にマーケティング』しているかどうかを判断する際に、複数の要素を考慮する」とし、その複数要素としては具体的に、マーケティング・メッセージで使用される言葉、対象読者、使用されているドメイン名などが対象となるようだ。

その他に両機関は、一部回答者から寄せられた「常に完全な裏付けを維持する必要性」に関する懸念について、「準備資産の不足は、FRS利用者が保有するFRSの全てを額面価格で法定通貨と交換することができず、潜在的にFRSの暴落を招き、エコシステムの信頼性に影響を与える可能性がある」ため、「FRSの発行額は、いかなる時点においても、常に準備資産によって完全に裏付けされていなければならない」と主張している。

両機関は回答者からの意見・提案を考慮しながら立法案を確定し、できるだけ早く立法院に法案を提出する予定だという。

FSTB長官のクリストファー・ホイ(Christopher Hui)氏は、「VA取引プラットフォームに対する既存の規制体制に加え、FRS発行者に対するライセンス制度を設けることで、香港のVA規制の枠組みが国際基準に沿ってさらに強化され、FRS発行業務に関連する潜在的な金融安定リスクが効果的に緩和される」と述べている。

FSTBとHKMAは昨年12月、共同で同協議に関するコンサルテーションペーパーを公開。同提案ではステーブルコイン発行体に対し、「香港の1つ以上の法定通貨の価値に連動するステーブルコインを発行する場合」は、HKMAから認可を受ける義務があることや、ステーブルコインに対する規制に必要な権限をHKMAに与えることなどが提案されていた。

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参考:発表
images:iStocks/seungyeon-kim

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この記事の著者・インタビューイ

髙橋知里

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者

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