イーサリアム現物ETF、23日取引開始か、米SECが暫定承認と業界筋

イーサリアム現物ETFは23日取引開始か

米証券取引委員会(SEC)が、イーサリアム(ETH)の現物価格に連動する上場投資信託(ETF)の立ち上げを希望する8社の資産運用会社のうち少なくとも3社に対し、来週23日からの取引開始について暫定的に承認を与えたと、3名の業界関係者が明らかにした。

関係者によると、この承認には申請者が今週末までに規制当局に最終募集書類を提出することが条件になるという。関係者の1人は、8社すべてが同時に取引を開始すると予想している。

これについてSECの広報担当者は、個々の提出書類についてコメントしないと述べた。

1月に米国で9銘柄のビットコイン現物ETFがローンチされたのに続き、イーサリアムの商品は、デジタル資産を主流に押し上げるという暗号資産(仮想通貨)業界のキャンペーンにとって、新たな大きな勝利を意味する。イーサリアムはビットコイン(BTC)に次ぐ時価総額で世界第2位の暗号資産である。

SECとの協議が秘密保持のため非公開で話した業界筋によると、ブラックロック(BlackRock)、ヴァンエック(VanEck)、フランクリン・テンプルトン(Franklin Templeton)は、来週7月22日午後にSECによって認可される可能性が高い8つの資産運用会社のうちの3社であり、これらの商品の取引は翌日から始まる予定だという。

15日午後の取引で、イーサリアムは3,433.07ドルで取引され、前日比7.1%上昇した。

1月にビットコインの価格を追跡する現物ETFが発売されたのは、市場操作の懸念からこれらの商品を拒否していたSECとの10年にわたる争いの集大成だった。SECは、デジタル資産運用会社グレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)が起こした法廷闘争に敗れた後、これらの商品は非常に危険であると警告しながら、SECはETFを承認せざるを得なくなった。

ビットコイン現物ETFのローンチはETF市場で史上最も成功したものの一つとなった。モーニングスター・ダイレクト(Morningstar Direct)のデータによると、9つの新商品は取引開始後3週間で約66億ドルの資産を集めた。6月末時点で、同ETFは331億ドルの純流入を集めた。

マーケットベクター・インデックス(MarketVector Indexes)のデジタル資産商品ストラテジストであるマーティン・ラインウェーバー(Martin Leinweber)氏は、新たなイーサリアム現物ETFへの資金流入はかなり控えめになると予想している。ETF承認後に最高値に達したビットコインに比べ、イーサリアムは市場規模と取引量は小さいため、イーサリアムの価格はより不安定になると同氏は述べている。

コインゲッコー(CoinGecko)によると、ビットコインの時価総額は1兆ドル強であるのに対し、イーサリアムは3,590億ドルだ。

「期待を抑えることが重要だ」とラインウェーバー氏は述べた。

需要に関する予測はさまざまだが、ギャラクシー・リサーチ(Galaxy Research)は、イーサリアム商品には毎月10億ドルの資金流入が見込まれると予測している(ギャラクシー・リサーチの姉妹会社ギャラクシー・アセット・マネジメントは、インベスコと共同でイーサリアムETFを運用している)。

暗号資産(仮想通貨)取引所クラーケン(Kraken)の戦略責任者であるトーマス・パフモ(Thomas Perfumo)氏は、イーサリアムの市場規模が小さいことを考えると、流入額がビットコインETFのレベルに達しなくても成功とみなされると述べた。

イーサリアムETFは昨年9月に発行者の申請が始まった。当初は、SECがこのETFを承認してくれるとの期待は薄かった。

しかしSECは5月、取引所が商品を上場するために必要な規則変更を承認し、業界を驚かせた。これは2つの主要な規制上のハードルのうちの最初のものだった。

SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は先月、グレイスケールの判決がイー​​サリアム商品の承認に関する考えに影響を与えたと語った。なぜなら、基礎となる市場状況がイーサリアムとビットコインは似ていたためだ。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Spot ether ETFs likely to begin trading July 23, industry sources say
(Reporting by Suzanne McGee; Editing by Richard Chang and Stephen Coates)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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