SBI出資の英ゾディアカストディ、DeFiレンディング「Maple Finance」と提携

ゾディアカストディがMaple Financeと提携

機関投資家向けの暗号資産(仮想通貨)カストディソリューションを提供するゾディアカストディ(Zodia Custody)とDeFi(分散型金融)レンディングプロトコルのメイプルファイナンス(Maple Finance)が、戦略的提携を締結したことを7月9日発表した。

この提携によりメイプルファイナンスは、ゾディアカストディをグローバル融資契約の優先カストディアン(管理者)として活用するという。その為メイプルファイナンスに貸し入れられた担保は、ゾディアカストディが管理することになる。

またこの提携によりゾディアカストディのウォレットは、メイプルファイナンスの独自トークン「MPL」をサポートするとのこと。これにより「代替価値保存における収益を最大化する機関投資家のニーズにも対応することになる」とのこと。

そしてこのことは、ゾディアカストディによる機関投資家への幅広い利回り提供がさらに多様化すると伝えられている。発表によるとこの統合については今年の第3四半期(7~9月)初めには開始されるとのこと。統合までの間は、ゾディアカストディの現地担当者へ連絡することで対応が可能とのことだ。

ゾディアカストディは、世界的な銀行金融グループの英スタンダードチャータード銀行(Standard Chartered Bank:SCB)のベンチャー投資&インキュベーションユニットであるエスシーベンチャーズ(SC Ventures)と米大手資産運用会社ノーザントラスト(Northern Trust)が設立した、機関投資家向けの暗号資産カストディソリューションを提供する企業。

ゾディアカストディは昨年4月、SBIホールディングスから出資を受けている。またSBIの子会社であるSBIデジタルアセットホールディングス(SBI DAH)はゾディアと合弁会社を設立することを昨年2月に発表。この合弁会社では、日本を拠点に機関投資家向けにデジタルアセットのカストディサービスを提供する予定とのこと。

またゾディアカストディは昨年9月、シンガポール拠点の大手デジタル資産プラットフォーム開発企業オープンエデン(OpenEden)と提携を開始。この提携により、ゾディアカストディはカストディに保有される暗号資産を現実世界の利回り機会と連携させ、同国の機関投資家向けにステーキングサービスを提供するとした。

そして今年6月には、スイス拠点の資産運用会社21シェアーズ(21Shares)との提携をゾディアカストディは発表している。これによりゾディアカストディは、スイスおよび欧州市場全体で物理的に裏付けられたETP商品(上場取引型金融商品)のカストディサービスを提供するとのことだ。

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参考:メープルファイナンス
image:iStocks/ThinkNeo・Lidiia-Moor

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。