コンセンシスが「メタマスク・プールド・ステーキング」提供開始
web3ウォレット「メタマスク(MetaMask)」の新機能「メタマスク・プールド・ステーキング(MetaMask Pooled Staking)」がリリースされた。同ウォレット開発元のコンセンシス(Consensys)が6月12日発表した。
「メタマスク・プールド・ステーキング」は、「メタマスク」に保有するイーサリアム(ETH)を少額でステーキングできるサービスだ。これまでユーザーは、コンセンシスが運営するバリデーターにステーキングするには最低32ETHが必要だった。
今回新たに提供開始された同サービスで「メタマスク」のユーザーは、ポートフォリオ一覧表示ツール「メタマスクポートフォリオ(MetaMask Portfolio)」を介して、32ETH以下の任意額でのETHステーキングが可能になるとのこと。
またステーキングしたETHの解除(引き出し)についてはいつでもできるというが、アンステークにかかる時間はイーサリアムバリデーターの終了キュープロトコルに応じて異なる場合があるとのこと。
コンセンシスによると「メタマスク・プールド・ステーキング」は、マルチクラウド、マルチリージョン、マルチクライアントインフラストラクチャにホストされた33,000以上のイーサリアムバリデータによって支えられており、既に100ETH以上がステーキングされているとのことだ。
「メタマスク・プールド・ステーキング」は既に一部のユーザーが利用可能で、今後数日間で段階的に利用が可能になるという。ただし米国および英国のユーザーは利用対象外とのこと。コンセンシスは両国での同サービス導入を目指していると伝えた。
コンセンシスのシニアプロダクトマネージャーであるマシュー・セント・オリーブ(Matthieu Saint Olive)氏は「プールド・ステーキングにより、メタマスクユーザーは、ETHを完全に制御しながら、エンタープライズグレードのバリデーターにETHをステーキングし、報酬を獲得し、イーサリアムをより安全にする簡単な方法を手に入れました」とコメントしている。
コンセンシスが調査したデータによるとイーサリアム保有者の99%は、32ETH未満の保有とのこと。またETHの74%はステーキングされていないという。一方でステーキングされているETHの多くは少数の大規模プールにあるという。コンセンシスは「メタマスク・プールド・ステーキング」にて、アクセスしやすい効率的なステーキングソリューション提供により、より多くのユーザーがステーキングにアクセスできるようにし、それによりイーサリアムのセキュリティと分散化に貢献すると述べている。
今年1月に「メタマスク」の「メタマスクポートフォリオ」にてETHのステーキングサービス「バリデータステーキング(Validator Staking)」が提供開始されている。同サービスでは32の倍数のETHをデポジットすることで、ステーキング報酬の獲得が可能だ。
なお同サービスでは本来バリデータを起動する際に必要となるノードの維持や管理および、ハードウェアの準備やメンテナンスなどが必要ない(今回のプールド・ステーキングも同様)とし、コンセンシスを通じてステーキングを行うと伝えていた。
なおバリデータとは、ブロックチェーンのネットワークに接続し、トランザクションが正しいかを検証するノード(コンピューター端末)またはその運用者のこと。運営者は、その貢献度等に応じた報酬が得られる仕組みとなっている。
ちなみに個人がイーサリアムのノードを運用し、バリデータとして同ネットワークへステーキングして報酬を得るには1ノードで最低32ETHが必要だ。またノード維持・管理の失敗によりステーキングしたETHが没収される罰則「スラッシング」のリスクも個人が負うことになる。
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参考:コンセンシス
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