テラフォームラボとド・クォン、SEC民事詐欺事件の和解に合意

テラフォームラボとドクォンがSEC民事詐欺事件の和解に合意

シンガポールを拠点とするテラフォームラボ(Terraform Labs)とその創業者であるド・クォン(Do Kwon)氏は、2022年のステーブルコイン「テラUSD(UST)」が暴落する前に暗号資産投資家を欺いたとして同社を訴えた米証券取引委員会(SEC)と暫定的な和解に達した。

この和解は裁判所のウェブサイトで5月30日に公開されたが、その条件は明らかにされていない。陪審員は4月の裁判で、テラフォームラボとクォン氏に民事詐欺罪の責任があるとした。

米SECは2021年、同社とクォン氏に対し、1ドルの価値を維持するように設計されたステーブルコインである「テラUSD」の安定性について投資家を欺いたとして非難していた。またSECは、テラフォームラボのブロックチェーンが韓国の人気モバイル決済アプリで使用されていると虚偽の主張をしたと非難していた。

マンハッタンのジェド・ラコフ(Jed Rakoff)米連邦地裁判事は、6月12日までに和解を裏付ける書類を提出するようSECと被告に求めた。

なおこの件について、SECの広報担当者と被告側の弁護士はコメントを控えた。

2022年5月、「テラUSD」と、同ステーブルコインと密接にリンクしながら価値を変動させた暗号資産「ルナ(LUNA)」の破綻は、暗号資産市場に混乱をもたらせた。

SECは、「テラUSD」のドルペッグが維持できなかったため、2つの暗号資産の投資家は合わせて400億ドル以上を失ったと推定している。

SECは裁判所への提出書類の中で、テラフォームラボとクオン氏に対し、ステーブルコインの販売で不正に得た利益とされる53億ドルを放棄するよう求めていた。

またSECは、同社に4億2000万ドルの罰金、クォン氏に1億ドルの罰金を科し、両者に「暗号資産証券」の取引を禁止するよう求めた。

テラフォームラボとクオン氏は、同社に課せられる罰金は最大350万ドル、クオン氏には罰金は100万ドル以下課せられると主張していた。

クォン氏は米国と母国韓国で関連する刑事責任を問われている。彼は不正行為を否定している。

2023年3月に逮捕されて以来、クオン氏はモンテネグロからの身柄引き渡しを待っているが、当局は同氏をどこへ送還すべきか何度も議論している。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Terraform Labs, Do Kwon agree to settle SEC civil fraud case
(Reporting by Jody Godoy in New York; Editing by Richard Chang)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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