MRIと山陰合同銀行、「デジタル地域通貨事業」の共同実施へ。地域経済活性化に向け

MRIと山陰合同銀行が「デジタル地域通貨事業」の共同実施へ

三菱総合研究所(MRI)と山陰合同銀行(ごうぎん)が、山陰地域における「デジタル地域通貨事業」を共同実施することを5月29日に発表した。

両社は同事業を通じて、山陰地域の地域コミュニティの再興と地域経済活性化への貢献を加速するとのこと。

同事業でMRIとごうぎんは、地域内で利用可能なポイントや地域通貨を発行・管理する「さんいんウォレット基盤(仮称)」の構築を目指すとのこと。

MRIが、同社開発のブロックチェーン技術活用のデジタル地域通貨プラットフォーム「Region Ring(リージョンリング)」および、その運用ノウハウを提供する。またその他にも同社のシンクタンクとしてのコンサルティング事業で蓄積した自治体との取引実績におけるノウハウも同事業へ提供するとのこと。

またごうぎんは、自行の既存顧客や将来の見込み顧客に向けてポイントや独自の地域通貨を発行し、地域内の消費活動の活性化を推進するという。同行の山陰地域における強固な顧客基盤と金融機関としての信頼性や、これまでのサービス提供実績を同事業へ活用するとのことだ。

発表によると「さんいんウォレット基盤(仮称)」を自治体や事業者が利用できるようにすることで、地域内の行政施策の円滑な実現や経済取引の活性化を可能するという。

将来的に山陰地域内で共通で使えるポイントや地域通貨の提供、地元のスーパーやホームセンターといった事業者が、従来よりも短期間かつ安価にハウスポイントやハウス電子マネー(発行した事業者の店舗でのみ使えるポイントや電子マネー)を発行できる仕組みを提供する事業等の共同実施に向け、「さんいんウォレット基盤(仮称)」の検討・実装を行うとのことだ。

また今後MRIとごうぎんは、山陰地域における自治体への「さんいんウォレット基盤(仮称)」導入の他、サステナブルな地域社会を実現するためのWeb3技術を活用したさまざまな仕組みの検討・実装も行っていくとのことだ。

「あたらしい経済」編集部は「Region Ring」および「さんいんウォレット基盤(仮称)」で採用するブロックチェーンについてMRIへ問い合わせを行っている。同社より返答があり次第、この記事に追記させていただく予定だ。

なお「Region Ring」の過去の採用事例として、近鉄グループホールディングス提供の「ハルカスコイン」と「しまかぜコイン」、阪急阪神ホールディングス提供の「maruGOT(まるごっと)にしのみや」、東京都委託の「令和元年度東京ユアコイン(オフィス型)」などがある。

※以下2024.6.3 11:00追記

「あたらしい経済」編集部がMRIに取材したところ、「Region Ring」および「さんいんウォレット基盤(仮称)」で採用するブロックチェーンは、国内ブロックチェーン関連開発企業のチェーントープ(chaintope)が提供するブロックチェーン「タピルス(Tapyrus)」であると回答を得た。

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参考:MRI
images:iStocks/monkeybusinessimages・Ninja-Studio

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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