英検の合格証明書にVC
日本英語検定協会(英検協会)が提供予定の「デジタル証明書」にVC(Verifiable Credential:検証可能なデジタル証明書)が活用されるようだ。同協会に技術支援したCrypto Garage(クリプトガレージ)およびDOUが5月24日発表した。
クリプトガレージは、デジタルガレージのグループ会社でフィンテック分野におけるブロックチェーン金融サービス事業を展開する企業。またDOUは、 デジタル証明書の発行支援事業等を展開する企業である。
「デジタル証明書」は、実用英語技能検定(英検)および英検S-CBTの合格証明書、そして英検CSEスコア証明書の電子版として5月30日より提供開始されるとのこと。
またこの「デジタル証明書」は、世界的なウェブの標準化団体W3Cが提唱する「VC」の規格に準拠し、紙の証明書同様に、試験の成績を改ざんできない形で提供されるという。のべ840万枚以上の発行が可能で、国内の検定事業者が発行する電子証明書としては最大規模になるとのことだ。
なお「VC」や「DID:Decentralized Identifier(DID/分散型ID)」といった技術は、ブロックチェーン技術を活用した次世代の認証・証明手段だ。同技術により、証明書提示の際に、個人が自身に関する情報を自分で管理する「秘匿性」、改ざん耐性やトレーサビリティという「安全性」、第三者から一度証明された情報を個人が自由に利用できる「利便性」が担保されるという。
ただし今回「デジタル証明書」に活用されたVCは、直接ブロックチェーンを活用しているわけではない。
今回クリプトガレージは、「デジタル証明書」に必要な秘密鍵に関する技術を、DOUを通じて英検協会に提供したとのこと。
英検協会提供の「デジタル証明書」は、同協会が提供する「生涯学習アカウント」のサービスに紐づく形になるようだ。
「生涯学習アカウント」は、学習者の環境や登録情報が変わっても、学習者が継続的にこれまでの受験履歴を把握できることを目的として、2023年9月に導入されたサービスとのこと。
なおクリプトガレージは昨年4月、PitPa(ピトパ)社が実施した千葉工業大学の令和4年度卒業生に授与するNFT学位証明書の発行プロジェクトに対して、ブロックチェーン技術を活用したバックエンドサービスの提供を実施していた。
ちなみにPitPaが発行を支援したNFT学位証明書は、オンチェーン情報で一般公開されるNFTと、学生側で公開/非公開の設定が可能な「VC」の二つの技術を掛け合わせることで、学生のプライバシーを保護しているという。NFT画像には「千葉工業大学の卒業生であること」のみを記載し、学生の名前や学位、学科などの個人情報をVCとして発行したとのこと。
なおこの取り組みは当時、大学が学位証明書をNFT化した事例としては、国内初とのことだった。
※2024.6.10 14:00追記
タイトルと内容に誤りがありましたので、修正いたしました。
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参考:クリプトガレージ
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