ロンドン証券取引所へ上場へ
ウィズダムツリー(WisdomTree)と21シェアーズ(21Shares)は、ロンドン証券取引所で暗号資産(仮想通貨)を裏付けとする上場商品(ETP)を開始する予定だ。両社は5月22日、英国の金融規制当局から許可を得たことを明らかにした。
英国の金融行動監視機構(FCA)が3月、プロの投資家向けに「cETN」と呼ばれる暗号資産を裏付けとする取引所為替証拠金取引の開始を承認した。これにより、英国初の上場が計画されている。
規制当局がリスクについて警告しているにもかかわらず、投資家はETPを通じて暗号資産を購入するケースが増えている。
米国証券取引委員会(SEC)が1月にビットコイン(BTC)の現物ETF(上場投資信託)を承認した後、ビットコインの価格は急騰。SECが2番目に大きな暗号資産であるイーサリアム(ETH)についても同様の商品を承認するとの期待から、暗号資産の価格はここ数日上昇している。
ウィズダムツリーの2つの商品は、投資家に原資産である暗号資産へのエクスポージャーを与えるもので、1つはビットコイン、もう1つはイーサリアムだ。資産運用会社のウィズダムツリーは声明で、暗号ETPがFCAに承認された「最初の発行体のひとつ」であると付け加えた。
ウィズダムツリーの欧州責任者であるアレクシス・マリノフ(Alexis Marinof)氏は、「英国を拠点とするプロ投資家は、これまで海外の取引所を通じて暗号資産ETPに投資できたが、間もなく、より便利なアクセスポイントを手に入れることになる」と述べた。
また同氏は「この点においてFCAが承認したことで、この資産クラスの機関投資家による採用が拡大する可能性がある」と続けている。
21シェアーズは自らを世界最大の暗号資産担保ETP発行会社であるとし、最近の規制当局の承認を受けてロンドン取引所に上場すると述べた。
「ロンドンは世界で最も深く流動性の高い資本市場の一つであり、暗号資産に対する機関投資家の関心は実証済みだ」と同社は声明にて述べている。
FCAは、 暗号資産はリスクが高く、ほとんどが規制されていないと明言。個人投資家に暗号資産を販売することを禁止しており、暗号資産は「有害であるため、個人消費者には適していない」と述べている。
なお3月には、「投資する人は全財産を失う覚悟が必要だ」と述べていた。
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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
WisdomTree, 21Shares to list crypto products on London Stock Exchange LONDON
Reporting by Elizabeth Howcroft; Editing by Tommy Reggiori Wilkes, Mark Potter and Jane Merriman
翻訳:髙橋知里(あたらしい経済)
images:Reuters