自称ビットコイン発明者クレイグライト、主張裏付けのため繰り返し嘘をついた 英国判事が指摘

英判事がクレイグライトは嘘ついたと指摘

ビットコイン(Bitcoin)を発明したと主張するオーストラリアのコンピューター科学者クレイグ・ライト(Craig Wright)氏が「広範囲かつ繰り返し」嘘をつき、その虚偽の主張を裏付けるために「大規模に」文書を偽造したと、ロンドンの高等法院の判事が5月20日に裁定した。

ライト氏は、2008年に発表されたビットコインの基礎となるホワイトペーパーの著者「サトシ・ナカモト」であると長い間主張していた。

しかし、ジェームズ・メラー(James Mellor)判事は3月、ライト氏のビットコイン開発者訴訟を阻止するためにクリプト・オープン・パテント・アライアンス(Crypto Open Patent Alliance:COPA)が起こした訴訟の審理後、同氏がサトシ氏でない証拠は「圧倒的」であるとの判決を下した。

メラー判事は20日、判決文の中で自身の結論の理由を「ライト博士は自分自身を非常に賢い人物であると主張している。しかし、私の判断では、彼は彼自身が思っているほど賢くはない」と述べた。

判事はさらに、「彼の嘘と偽造文書は全て彼の最大の嘘、つまり自身がサトシ・ナカモトであるという彼の主張を裏付けるものだった」と付け加えた。

またメラー判事は、開発者を訴訟したライト氏の行動や、ビットコインについて表明した見解も、彼がサトシであることを否定していると述べた。

ライト氏は2月に証拠を提出した際には文書偽造を否定したが、Xへの投稿で「身元問題に関する裁判所の決定に対しては全面的に控訴するつもりだ」と述べた。

Twitter(ツイッター)創設者ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏の決済会社Block(ブロック)を含むメンバーで構成されているCOPAは20日の判決について、「オープンソースコミュニティにとって転換点」と表現した。

COPAの広報担当者は、「開発者らは個人の生活を危険にさらしたり、費用と時間がかかるクレイグ・ライトからの訴訟を恐れることなく、ビットコインネットワークを維持し、反復し、改善する重要な仕事を継続できるようになった」と述べた。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
Self-proclaimed bitcoin inventor lied ‘repeatedly’ to support claim, says UK judge
(Reporting by Sam Tobin; Editing by Emelia Sithole-Matarise)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。