アバランチで高級ワインファンドをトークン化、暗号資産証券取引所ATSに上場

アバランチでワインファンドがトークン化

高級ワイン投資会社ワインキャピタルファンド(Wine Capital Investments)によるワインファンドが、アバランチ(Avalanche)Cチェーン上でトークン化され、米証券取引委員会(SEC)認可の暗号資産証券取引プラットフォームであるATSに上場した。アバランチが5月16日発表した。

なおワインファンドは、複数の投資家が資金を出し合い、専門の運用会社がワインを購入・管理する仕組み。時間経過による熟成と消費による本数減少などにより、時間がたつほど希少価値が増す投資商品となる。

今回トークン化された資産にワインファンドが加わったことにより、投資家は現在約62兆円(4,000億ドル)以上の価値があると言われる高級ワイン市場に簡単に参加できるようになったとのこと。

ちなみにワインキャピタルファンドは高級ワインに特化したクローズドエンド型のプライベート投資ファンドである。このファンドは投資ワインに焦点を当てたWIVXアセットマネジメント(WIVX Asset Management)によって設立されている。

また同ファンドはファンド管理者として、ファンド管理サービス提供のビストラ(Vistra)を採用しており、ERC-3643トークン標準に準拠しているとのこと。なおERC-3643は、現実世界の資産(RWA)や証券をトークン化するための標準規格である。

なおATSは、米証券取引委員会(SEC)認可のオアシス・プロ・マーケット(Oasis Pro Market)が運営する暗号資産証券取引プラットフォームだ。米金融取引業規制機構(FINRA)にも登録されている。このプラットフォームではブロックチェーン上でトークン化された証券を、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインで購入できる。

ワインキャピタルファンドとオアシスプロは今年1月、高級ワインに投資する私募ファンドのトークン化で提携していた。

ちなみに今年3月にはダイヤモンド・スタンダード(Diamond Standard)とホライゾン・キネティクス(Horizon Kinetics)が出資するダイヤモンド・スタンダード・ファンド(Diamond Standard Fund)へ投資するトークンが、アバランチCチェーンを通じてATSに上場している。

アバランチとは

アバランチは、処理速度の速いオープンソースプラットフォームを目指し、開発が進められてきたL1ブロックチェーン。

また異なるデータ構造を採用するContract Chain(Cチェーン)、Platform Chain(Pチェーン)、Exchange Chain(Xチェーン)の3つのチェーンで構成されたブロックチェーンであり、それぞれで重要機能の役割を分担している。

Cチェーンではスマートコントラクトの実行が可能なため、dAppsの構築に利用される。Xチェーンで作成した資産をCチェーンで利用することもできる。

またPチェーンはアバランチにおけるメタデータを記録するチェーンとなっており、AVAXのステーキングやバリデーター、サブネットの管理に用いられる。

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参考:アバランチ
images:iStocks/5PH・sumkinna

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この記事の著者・インタビューイ

一本寿和

「あたらしい経済」編集部 記事のバナーデザインを主に担当する他、ニュースも執筆。 「あたらしい経済」で学んだことを活かし、ブロックチェーン・NFT領域のバーチャルファッションを手がけるブランド「JAPAN JACKET」を2021年10月より共同創業。