FTXが再編計画修正案を提出、債権者らへの支払い145~163億ドル見込む

FTXが再編計画修正案を提出

破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXは、債権者と顧客への支払いに145億ドルから163億ドル(約2.3~2.5兆円)を用意することになるという。同社が5月7日に米国の破産裁判所に提出した修正更生計画により明らかになった。

同計画でFTXは、資産の収益化に基づいてこの額を予測したと述べている。その資産のほとんどは、FTX前CEOのサム・バンクマンフリード(Samuel Bankman-Fried:SBF)氏が管理する暗号資産特化ヘッジファンドであるアラメダリサーチ(Alameda Research)所有の投資資産、FTXベンチャーズ(FTX Ventures)の事業、および訴訟請求だという。

また分配額には、連邦破産法第11条の債務者の管理下にある資産のほか、FTXバハマ・デジタル・マーケッツ(FTX Bahamas Digital Markets)の清算人、バハマ証券委員会、FTXのオーストラリア部門の清算人、米国司法省(DOJ)、および複数の私人が管理する資産も含まれる。と声明には付け加えられている。

同社によると修正計画は、裁判所の承認が必要な案件を含め、主要な利害関係者と合意に達した一連の和解に焦点を当てたものだという。

FTXが提案した計画では、請求額が5万ドル以下の債権者を対象とした「コンビニエンスクラス」を創設するとのこと。これが裁判所の承認を得られれば、大多数の債権者が2カ月以内に請求額の約118%を受け取れることになると見込まれている。

FTXの現CEOジョン・レイ(John Ray)氏は、「政府機関以外の債権者に対し、破産債権額の100%プラス利息の返還を想定したチャプター11計画を提案できる立場にあることを嬉しく思います」とコメントしている。

2月時点で、経営破綻した暗号資産取引プラットフォームには64億ドルの現金があった。

今年初め、FTX創設者のSBF氏は、顧客から80億ドルを盗んだ罪で裁判官から懲役25年の判決を言い渡された。

かつて世界トップクラスの暗号資産取引所だったFTXは、2022年11月に破産を申請し業界を震撼させ、推定900万人の顧客と投資家が数十億ドルの損失に直面した。

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※この記事は「あたらしい経済」がロイターからライセンスを受けて編集加筆したものです。
FTX files amended reorganization plan, expects $14.5 billion-$16.3 billion for distribution
(Reporting by Gursimran Kaur in Bengaluru, Additional reporting by Jyoti Narayan; Editing by Shailesh Kuber and Rashmi Aich)
翻訳:大津賀新也(あたらしい経済)
images:Reuters

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大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。