ワールドコイン子会社、トレジャリーから「WLD」販売で資金調達へ。ネットワーク成長支援のため

ワールドコイン子会社が「WLD」販売で資金調達へ

ワールドコイン財団(Worldcoin Foundation)の子会社ワールドコインアセッツ(World Assets)が、同社トレジャリーから「Worldcoin(WLD)」を販売する予定だ。販売した収益は、ワールドコイン(Worldcoin)ネットワークの成長支援に使用されるとのこと。

ワールドコイン開発元のツール・フォー・ヒューマニティ(Tools For Humanity:TFH)が4月23日発表した。

発表によると「WLD」の販売は、今後数か月以内に実施されるとのこと。

販売先は、「米国外で活動する厳選された機関投資家向け取引企業」だという。対象企業へ私募を通じて「WLD」を6か月間かけ、段階的に販売する計画だという。

現在の市場状況においては、「WLD」は週平均で50万~150万WLDの販売が見込まれているとのこと。この数字は、現在の「WLD」の週次取引量の0.1%~0.4%未満に相当するという。なお販売に応じて「WLD」の流通供給量も増加することになる。

TFHによると現在500万人以上が「ワールドID(World ID)」を所有しており、160ヵ国以上で1億3,700万WLD以上のユーザー補助金(WLD)が請求されているとのこと。これは現在流通している1億9,300万WLDの大部分を占めているとのことだ。

なお「WLD」販売にあたっては、米国外で販売された「WLD」が米国に逆流するのを防ぐための措置が取られるとのこと。

例として挙げられているのは、「WLD」販売先の企業に対し、「米国人に対する『WLD』の転売」や「米国人が利用可能なデジタル資産取引プラットフォームでの転売」を制限することだ。また特定の法的および商業的要因に応じたうえで、販売先企業による「WLD」の転売を制限する40日間のロックアップ期間を契約に含む可能性があるとのことだ。

ワールドアセットは、これらの制限を考慮したうえで複数の取引会社と「WLD」の販売交渉をする予定とのこと。「WLD」の一般的な市場価格に可能な限り近い価格での第三者割当増資の実行を目標にするとTFHは述べている。

ワールドコインとは

ワールドコインは、AIチャットボットサービス「ChatGPT」を提供する米オープンエーアイ(OpenAI)のCEOサム・アルトマン(Sam Altman)氏が立ち上げた暗号資産(仮想通貨)プロジェクトだ。

ワールドコインは「オーブ(Orb)」と呼ばれるボール状のデバイスで虹彩をスキャンし、各人それぞれの虹彩の特徴をデジタルコードに変換することで個人を識別する「World ID」を発行する。これによりワールドコインは世界的なIDシステムの構築を目指している。

なお最新のアップデートによりワールドコインでは、眼球スキャンから作成された識別番号「虹彩コード」を永久に削除できるオプションが追加された。

また18歳以上の個人のみがワールドコインを利用できるよう、虹彩スキャン時に対面での年齢確認が導入されている。

その他にもワールドコインでは、独自の専用ブロックチェーン「ワールドチェーン(World Chain)」を今夏にリリースする予定だ。 ・TFHによると「ワールドチェーン」はイーサリアム(Ethereum)のレイヤー2ブロックチェーンとのこと。

ワールドコインは現在イーサリアムL2の「OPメインネット(OP Mainnet)」上で稼働しているが、同ネットワークのトランザクションが「OPメインネット」のアクティビティの約44%を占めていることなどの要因からネットワーク移行を進めるとのことだ。

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参考:TFH
images:iStocks/Who_I_am

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この記事の著者・インタビューイ

大津賀新也

「あたらしい経済」編集部 記者・編集者 ブロックチェーンに興味を持ったことから、業界未経験ながらも全くの異業種から幻冬舎へ2019年より転職。あたらしい経済編集部では記事執筆の他、音声収録・写真撮影も担当。

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